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94部分:ニーベルングの血脈その二十六
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ニーベルングの血脈その二十六

「よし、そこは攻撃から外せ!」
「了解!」
「他の場所は銘々派手に撃ちまくれ!挟み撃ちだ!」
 こうしてジークムントの軍も反撃に転じた。戦い自体は瞬く間に決し、彼は救われた。そして盆地に青い髪と目の知的な風貌の男が姿を現わしたのであった。
「卿がジークムント=フォン=ヴェルズング提督か?」
「ああ」
 ジークムントはその青い男の問いに答えた。
「その通りさ」
「そうか。噂は聞いている。そちらは大変だったようだな」
「俺もあんたの話は聞いているぜ」
 ジークムントはニヤリと笑って彼にそう返した。
「ヴァルター=フォン=シュトルツィング執政官だったな」
「知っているのか」
「あんたのことも有名だからな。話は色々と聞いてるぜ」
「そうか。お互い名前を知らないというわけではないようだな」
「ああ。ファフナーを潰したそうだな」
「何とかな」
 ヴァルターはそれに答えた。
「卿の方も。メーロトの軍を滅ぼしたか」
「まあな。あいつは死んだぜ」
 ジークムントはここで顔を微かに俯かせた。
「立派な最後だった」
「そうか」
 ヴァルターはそれを聞くだけであった。彼とメーロトの関係は知っていた。だからそれ以上は踏み込もうとはしなかったのである。これは彼の気配りであった。
「何はともあれここには帝国軍はいなくなったな」
「そうだな」
「俺はこれから帝国の奴等を探し出していくつもりだが。あんたはどうするんだい?」
「ヴァルハラに向かおうと思っている」
「ヴァルハラに?」
「そうだ。あそこには双惑星がある」
「ああ」
 これはジークムントも知っていた。
「そのうちの一つ。ラインにニーベルングがいるらしいのだ」
「奴が」
「そう。そしてここもまたアルベリヒ教の勢力だった」
「ニーベルングの奴等が信仰しているあれか」
「そうだ。そしてここで儀式も行なわれていたらしい」
「だからか」
 ジークムントはそれを聞いて二つ納得したことがあった。
「ここに帝国軍の拠点があったのもか」
「もう一つあるのだな」
「ああ。ここに司祭が一人いやがった。アルベリヒ教団のな」
 彼は言った。
「何でこんなところに連中の司祭がいるのか。今わかったぜ」
「ここで儀式をする為だな」
「そうだろうな。そしてその司祭にはあいつが乗り移っていやがった」
「あいつ!?まさか」
「そう、そのまさかさ」
 ジークムントは言った。
「ニーベルングの野郎が。出てきやがった」
「その司祭の身体を借りてか」
「そうさ。そしてあいつは俺を罠に嵌めて殺そうとしやがった。あんたが来る直前の話だ」
「そうだったのか」
「あいつは。多分アルベリヒ教とも深い関係がある」
「おそらくな」
「それだけじ
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