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リング
88部分:ニーベルングの血脈その二十
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る。
「何だ?」
「あまり戦闘に行かれない方が宜しいかと」
「危ないとでも言うつもりか?」
「そうです」
 部下達はそれが言いたかったのだ。
「我々と違い軽装ですし」
 見れば普段指揮を執っている時のジャケット姿のままであった。
「それに目立ちます。あまり先に出られると」
「それが狙いなんだよ」
 だが彼の返答は不敵なものであった。
「狙いといいますと」
「奴も当然俺がここに来たのは知ってるだろう」
「おそらくは」
「そして俺のことも知っている。なら俺が来ているとわかれば」
「自分で来る」
「そうだ、俺はそれを待っているんだ」
 その声が強くなった。
「奴が俺の前に姿を現わすのをな」
「それで先に進まれているのですか」
「何、そうそう敵の弾になんか当たりはしねえよ」
 これには絶対の自信があった。
「俺はな、今まで敵の弾に当たったことはねえんだ」
「はあ」
「何処から来るのか、直感でわかるんだよ。大抵のことはな」
 また彼の持ち前の直感が大きくものを言っていた。

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