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リング
87部分:ニーベルングの血脈その十九
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くれ。いいな」
「はっ」
 こうしてジークムントはその山岳部隊を率いてメーロトのいると思われる山地に向かった。彼等は皆精悍であり、逞しい顔付きをしていた。ジークムントは彼等を見てまずは大丈夫かと思った。
「この連中なら大丈夫か」
 彼はメーロトのことを知っていた。艦隊戦だけでなく地上戦にもまた長けていた。だからこそ警戒しているのである。
「おい」
 その部下達に声をかけた。
「わかってると思うがな」
「はい」
 部下の一人が逞しい声を返してきた。
「メーロトは侮れるものじゃねえぞ」
「わかっております」
 そして彼は素直に答えた。
「だからこそ我々を選んで下さったのですね」
「その通りだ」
 ジークムントは強い声を返した。
「あいつのことは俺が一番よく知っているつもりだ」
「提督御自身が」
「そうさ。ずっと一緒だったからな」
 一瞬その赤い目が遠くを見た。
「軍に入る時もな。一緒だった」
「そうだったのですか」
「士官学校に入った時だ」
 彼は言った。

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