第50話 ハイネセン帰還
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■惑星ルジアーナ造兵工廠
翌日未明1000隻の艦艇に戻ったカールセン提督率いる練習艦隊はヘルクスハイマー伯爵を守るように中央に輸送艦を置き、ハイネセンへの帰還の途についた。その中には病院船もおりアウグスト・ザムエル・ワーレン少佐以下怪我人が収容されていた。彼等もハイネセンへ向かうのである。
此は、ヘルクスハイマー伯爵事件自体が非常に重要な事件であり、囮作戦等も行われていた為に他の捕虜と同じ収容所には収容できないという考えからである。更に300万人もの捕虜を帰還させたために、各地の捕虜収容施設が閉鎖または縮小されたために敢えて地方へ置くことをしない事にしたのである。
ヘクトル艦橋では、カールセン提督以下スタッフが集まり、惑星ルジアーナ造兵工廠から発せられる『無事の航海を祈る』の発光信号を見ながら、敬礼をしていた。
「全艦隊発進せよ。目標ハイネセン」
カールセン提督が野太い声で命令をすると、各艦で復唱が行われる。
「「「「「全艦発進」」」」」」
発進した艦隊は艦隊列を作りながら、ワープポイントへ向けて進行していく。
此から20日間の航海が始まるのである。
航海の最中リーファはヘルクスハイマーとは会わないようにし続けていた、何故なら何時帝国に繋がるか判らないヘルクスハイマーに正体を見せたくないからであり、ヘルクスハイマーの女癖の悪さも険悪感を覚えたからであったので、対処はラップ少佐とスールズカリッター大尉に任せていたのである。
実際はエリザベート・フォン・ブラウンシュバイク、サビーネ・フォン・リッテンハイムの遺伝的情報を知りたいのであるが、ヘルクスハイマー伯爵自身が秘匿として未だに他者に教えない状態であり、その情報自体がある事も隠しているために、聞けない状態で有った。
マルガレータ嬢にも会いたい事は確かなのだが、此処は我慢のリーファであった。
宇宙暦793年2月12日
■自由惑星同盟 首都星ハイネセン
カールセン提督率いる練習艦隊は一人の死者も出さずに、無事ハイネセンへ到着した。艦隊は第1軍事ステーションに係留を行い始めた。
ステーションには態々国防委員長が迎えに来るほどであり、指向性ゼッフル粒子が同盟軍にもたらす恩恵を計っているかのようであった。更に宇宙艦隊副司令長官グリーンヒル中将も迎えに来てくれており、演説で如何に練習艦隊が偶然にヘルクスハイマー伯爵を保護したかをマスコミに説明して、リーファの存在を消し去る努力をしてくれた。
「グリーンヒル中将。練習艦隊があの場所に居たのは意図的と言う話しもありますが?」
「誰がその様な事を言うのかな?彼等はローゼンリッター第2連隊の訓練の為にあの付近にいて、偶然にも同盟領へ進行してきた帝国軍巡航艦に襲われる、伯爵の船を人道的見地に
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