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83部分:ニーベルングの血脈その十五
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ニーベルングの血脈その十五

「こうして少しずつ帝国軍の勢力を削っていくのですね」
「そうだ。大軍と正面からぶつかるよりはな。この方がいい」
 ジークムントは言った。
「まずはな。だが問題は最後にある」
「最後ですか」
「気合入れろよ、そろそろ次の段階に移るぞ」
「はい」
「まずは三個艦隊はそのまま敵の物資を奪っていけ」
「了解」
「そして俺は直属の艦隊と共にナイティング経由の補給路に回る。根本に向かうぞ」
「遂にですか」
「そうだ、ここを叩けば大きいからな」
 最初は避けていたナイティングへの補給路を叩く作戦を採った。これは敵の戦力が弱まってきていると計算してのうえであろうか。それとも直感からであろうか。それはジークムントにしかわからない。
「行くぞ、敵が来たならば」
「一旦退く」
「そうだ、まずは敵を餓えさせろ。いいな」
 こうして彼自身も補給路破壊に乗り出した。ナイティングと帝国軍を繋ぐラインに積極的に攻撃を仕掛けその補給艦を襲い、補給基地を破壊していった。そして帝国軍の継戦能力を奪っていった。帝国軍が兵を向けるとその機動力を生かしてすぐに退く。それを繰り返して彼等の戦力を消耗させることに専念していた。その成果は次第に見えてきていた。
「帝国軍はナイティングに退いていっているな」
「補給路の破壊が効いてきたのでしょうか」
「おそらくな。時は来た」
「では」
「そうだ、艦隊を集結させろ」
「はっ」
「そして奴等の後を追いナイティングに向かうぞ、いいな」
 ジークムントは作戦を次の段階に進めてきた。
「そして遂に彼等と雌雄を」
「そうだ、だがここが一番の問題だ」
 ジークムントはこう言って顔を引き締めさせた。
「メーロトは。手強いぞ」
「はい」
 部下達もその言葉を聞き顔を引き締めさせた。
「あいつは。確かに戦争は上手い」
 ジークムント自身が言った。
「それは俺が一番よくわかってるつもりだ」
 長い間パートナーであり、共に戦ってきたからわかることであった。彼はそれは認めていた。
「だからこそだ。手強いぞ」
「それはわかっております」
「数も多い。辛い戦いになるぜ」
「勝算は」
「聞きたいか」
「勿論です」
「そうか。ある」
 彼は言い切った。
「ありますか」
「俺はな、戦争で負けたことは一度もねえんだ」
 それがジークムントの誇りであった。
「安心しな。辛い戦いになるが勝つのは俺達だ」
 その言葉には文句を言わせないものがあった。
「いいな、それが信じられないとか今更言うなよ」
「わかっております」
「では提督、行きますか」
「ああ、全軍まずはミュンスターで集結するぞ」
「はっ」
「そしてそこからナイティングに向かう。いいな」
「帝国軍を倒
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