76部分:ニーベルングの血脈その八
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ニーベルングの血脈その八
「そんなの怖くて帝国を向こうに回せるかよ」
その声に迷いはなかった。
「メーロトの奴だろうが誰だろうが倒してやるぜ」
「そうですか」
「ああ。帝国の奴等は一人残らずな。この手でまとめて倒してやる、それが俺の戦いだ」
「では御自身の道をお進み下さい」
口調によっては皮肉に思えるがこの時のパルジファルの口調は穏やかでありそうではなかった。
「そしてまた御会いしましょう」
「おう、またな」
ジークムントは豪快な声を返した。
「何なら食事でも付き合うか」
「いえ、そこまでは」
「遠慮する必要はないぜ。どうせ軍隊のまずい食事だ」
彼は食事に関しては無頓着な方であった。美食よりも量さえあればよかった。味に五月蝿くはないのは彼自身もわかっていることであった。そしてそれを恥じることもなかった。
「どうだい、一緒に」
「いずれ御一緒することになりますが」
パルジファルはジークムントの豪快な言葉に対して丁寧な口調で言葉を返した。
「それでも宜しいでしょうか」
「構わないぜ」
ジークムントは特に考えることもなく返した。
「先に食べてもな。罰は当たらないだろう」
「それでしたら」
パルジファルも受けることにした。
「御一緒させて頂きます」
「おう、一緒にやろうぜ」
こうして二人は食事を共にすることになった。食事自体はすぐに終わり何のトラブルもさしたる情報もなかった。二人は別れの杯を交わした後で別れた。この際ジークムントは彼から多量の新型艦艇を購入していた。
「またかなりの数の新型艦艇ですな」
「そうだな」
ジークムントはメルヒオールの言葉に頷いた。既にパルジファルは去り、何処かへと立ち去っていた。
「これだけの数があれば艦隊が三つは作れます」
「だがそれだけでは駄目だな」
しかしジークムントの言葉は楽観したものではなかった。
「戦争ってのはな、兵器だけでするもんじゃねえ」
「戦略及び戦術と」
「兵隊でやるもんだ。いい兵隊はまだまだ少ない」
「はい」
「俺の戦術について来れる兵隊が必要なんだ。いいな」
「といいますと精鋭を」
「そうだ、大勢いても何もならねえからな」
「わかりました。それでは」
メルヒオールは頷いた。
「将兵の訓練も。合わせて行いましょう」
「頼むぜ、当分一個艦隊で防がなくちゃならねえからな」
「はい」
「その間に兵を整えてくれ。いいな」
「畏まりました」
最後に敬礼で応えた。こうして新兵の訓練も合わせて行われた。ジークムントは全てを整えるまで決して動こうとはしなかった。そしてその間に兵を整えていたのであった。
それから暫く経った。彼の手許には周辺星系と四個艦隊が手に入っていたのであった。
「さてと」
彼は執
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