71部分:ニーベルングの血脈その三
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ニーベルングの血脈その三
「やはり拠点がなければ」
「長い戦いを生き抜くことは難しいでしょうから」
「そういうことだ。覚悟しとけよ」
彼はまた言った。
「この戦い、長丁場になるぜ。いいな」
「了解」
「わかりました」
部下達は敬礼で以ってそれに応えた。そしてブレーメンに向かうのであった。
ジークムントの軍がブレーメンに入ると市民達は快く彼を出迎えた。そしてブレーメン星系の執政官からも招かれた。頭の禿げた老人であった。
「ようこそおいで下さいました」
「いや、来たのは俺達の方だからな」
ジークムントはそれに応えて言った。彼等は今ジークリンデの前の軍港で話をしていた。
「感謝しているのはこっちさ。ここを使わせて頂いていいな」
「ええ、勿論です」
執政官はそれを快諾した。
「今我々は軍を持っておりませんので。帝国に立ち向かわれる提督達の存在を待っていたのです」
つまりギブ=アンド=テイクというわけだ。施設や物資を提供するかわりに自分達を帝国から守って欲しいと。政治家らしい要求であった。
ジークムントは政治家ではない。生粋の軍人である。正直こうした駆け引きや交換条件は好きではない。だがここはそれを隠して快諾することにした。軍の維持に何が必要なのか、それがわからぬ程愚かでもなかったからだ。
「それじゃあ俺達は帝国とやらせてもらうぜ」
「はい」
執政官は頷いた。
「私は軍事のことは疎いので。その件に関しては全てお任せします」
「まあ一応はあんたの下ってことでな」
「宜しいのですね、それで」
「俺は政治のことはわからねえからな。そっちは執政官が仕切ってくれ」
「畏まりました。それでは」
「宜しくな」
「はい」
二人は手を握り合った。こうして多分に打算的であったが拠点と政治的な協力者を手に入れた。彼はそれをもとに勢力を築くことにした。
「まずはこれでいいな」
彼はブレーメンの執政官官邸の横に置かれた臨時の司令部においてこう呟いた。
「足掛かりは得たぜ」
「ですが問題はこれからです」
参謀の一人ヴィントガッセンが彼に対して言った。
「まだ我が艦隊は僅か一個です。これでどれだけあるかすらわからないメーロトの艦隊と渡り合うにな」
「相当な苦難が予想されるって言いたいんだな」
「その通りです」
ヴィントガッセンは落ち着いた顔と声でこう述べた。
「まずは勢力を蓄えるべきだと思いますが」
「まどろっこしいやり方だな」
ジークムントはそれを聞いて顔を顰めさせた。
「俺の流儀じゃねえ」
「ですが」
「しかしな」
だがここでニヤリと笑って来た。
「御前の言うことは正論だよ。ここで俺がやらなくちゃいけねえことはわかっている」
「では」
「周辺の星系を勢力圏下に収め
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