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70部分:ニーベルングの血脈その二
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ニーベルングの血脈その二

「そのメーロトだが」
 彼はジークムントに対して言った。
「今ニーベルングの大軍を率いて各地を転戦しているらしい」
「何故だ」
「帝国に反抗する勢力を滅ぼす為だ。その軍によりもうかなりの星系が滅ぼされているという」
「大軍か。そんなの俺には関係ねえ」
 だがジークムントはそれは一言で言い捨てた。
「その大軍が百万隻だろうが二百万隻だろうが。どれだけいても俺にはものの数じゃねえ」
「それでも行くのだな」
「当然だ」
 彼はさらに言った。
「悪いがあんたが何と言おうがな。命令違反だというんなら今すぐ銃殺にでも何でもしてくれ」
「わかった」
 ローエングリンはそれを聞いて頷いた。
「じゃあ撃つのかい?俺を」
「いや、そんなことはしない」
 ローエングリンはそれを否定した。
「行くがいい。出撃を許可する」
「そうかい、有り難うよ」
「だが戦闘機での出撃ではない」
「じゃあ艦艇でか?」
「違う、艦隊でだ」
 彼は言った。
「一個艦隊を預ける。それでメーロトを倒しに行け」
「随分気前がいいな」
「それだけではない。ジークリンデもだ」
「おい、本当かよ」 
 ジークムントはそれを聞いて思わず声をあげた。
「ジークリンデつったらよお」
「構わない」
 だがローエングリンはそれをよしとした。
「メーロトの軍はかなりの数だという。一個艦隊でどうにかなるものではない」
「ああ」
「だからといて私の方も卿に回せるのは精々その一個艦隊だけだ。ならば、と思ってな」
「そのジークリンデを俺にくれるんだな」
「一言で言うとな」
 ローエングリンは頷いた。
「不充分だとは思うが」
「おい、俺を誰だと思ってるんだよ」
 だがジークムントはここでローエングリンに言った。
「何だと!?」
「俺はジークムント=フォン=ヴェルズングだぜ」
 彼は名乗った。
「俺にとっちゃ丁度いいハンデだぜ。そんなの屁でもねえよ」
「大丈夫なんだな」
「ああ、充分過ぎる位だ。まあ見てな」
 自信に満ちた声で言った。
「俺の活躍をそこでな」
「わかった。では任せよう」
 ジークムントはローエングリンのその言葉を聞いてニヤリと笑った。
「メーロトの首、見事挙げてきてもらおう」
「そうだ。そっちは大船に乗った気持ちでいな」
「吉報を待つ」
「メーロトだけじゃなくて、帝国の奴等も全部ぶっ潰してやるぜ」
 それだけ言って彼はローエングリンのもとを去った。そして出撃したのであった。
 出撃してから一週間経った。ジークムントとその軍はまだメーロトとその軍を発見出来てはいなかったのであった。
「一週間か」
 彼はまた呟いた。
「意外と上手く隠れやがったな、メーロトの奴」
「これからど
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