7部分:ファフナーの炎その六
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ファフナーの炎その六
「まさかファフナーを投入して来るとはな」
ヴァルターは会議の席においてはまずこう述べた。
「思いもしなかった。これはニーベルングが本気だということか」
「このような辺境の場所にまで、ですからね」
部下の一人がそれに応えた。
「奴は一体何を考えているのだろう」
「今の時点ではまだはっきりしたことは言えないな」
「はい。情報が少な過ぎます」
「今はここを拠点に情報収集に務めますか」
「それからですね。何事も」
「そうだな。では暫くは目立った動きは控える」
「はっ」
「情報収集とフランケンの統治に専念する。それでいいな」
「了解」
「わかりました」
武官も文官達もそれに応えた。こうしてとりあえずの方針が決定したのであった。
ヴァルターは暫くの間戦力の拡充と国力の充実、そして情報収集に務めた。その結果色々と面白いことがわかってきた
のであった。
「メーロト=フォン=ヴェーゼンドルクという男がか」
「はい」
彼はそこでメーロトという男を知った。
「かってはローエングリン=フォン=ブラバント提督の第三艦隊に所属していた男のようですが。今ではニーベルングの軍にいるそうです」
「その際共に作戦行動にあたっていたジークムント=フォン=ヴェルズングに重傷を負わせたということです」
「ローエングリン=フォン=ブラバントにジークムント=フォン=ヴェルズングか」
「御存知ですか」
「個人的にはないがな。あの二人は有名だ」
ヴァルターは新設された司令室で一連の話を聞いていた。そしてこう応えたのであった。
「ブラバントは名門の出身で自身も指揮官として優秀なことで知られている」
「はい」
「ヴェルズングは元々彼の部下だった。帝国きってのエースパイロットだ」
「そのようですね」
「その二人と関わりがあったというのか」
「その男が今各地で帝国に抵抗する者達を滅ぼしている、とのことです」
「ふむ」
ヴァルターはそこまで聞いてまた思索に入った。
「ではマインを襲ったファフナーもか」
「はい、そのようです」
「やはりな。そして彼は今何処にいるか」
「そこまではわかりません。ただ」
「ただ。何だ」
「どうやらヴェルズングが彼を追っているそうです。何でも怪我の借りを返すとか」
「だとするとヴェーゼンドルクも厄介な男を敵に回したな」
「はあ」
「では今のところヴェーゼンドルクはいい。それよりも今はこの周辺にいる帝国軍だ」
「彼等をですか」
「そうだ。彼等についてわかっているところはあるか」
「こちらに向けられている帝国軍は二人の将によって率いられています」
「誰と誰だ」
「ギャールプ=ゲイルレズとグレイプ=ゲイルレズの兄弟です」
「その二人か」
「はい。それぞれ
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