第十幕その六
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「梅干しとお酒いや般若湯は合うね」
「今お酒って言ったし」
「ちゃんと般若湯って言わないとね」
「ここはお寺なんだから」
「言い間違えたら駄目だよ」
「いや、うっかりしたよ」
先生は動物の皆の突っ込みに笑って応えました。
「じゃあね」
「そう、般若湯飲もうね」
「楽しくね」
「和歌山らしく梅干しも食べて」
「そうしようね」
「是非ね、しかしね」
飲みつつさらにお話する先生でした。
「本当にこの組み合わせはいいね」
「すっきりしてるね」
王子もその組み合わせを楽しみつつ言います。
「梅干しと般若湯は」
「そうだね、王子は間違えなかったしね」
「先生を見たからね」
先にうっかりした先生をというのです。
「だからね」
「間違えななかったんだね」
「そうだよ」
笑って先生にお話しました。
「そこはね」
「成程ね」
「それでまた言うけれど」
「うん、梅干しはだね」
「本当にいい食べものだよ」
「お酒に合っていてね」
「しかもだよ」
梅干しを一粒食べてそれからまた般若湯を飲んで楽しみつつまた言った先生でした。お顔は赤くなっています。
「身体にもいいしね」
「そうだよね」
「そう、身体に色々いいものがあるんだ」
梅干しにはというです。
「だからね」
「この高野山でもだね」
「飲んで楽しもうね」
こうお話しながらです、先生達は沢山飲んで甘いものも楽しんでからでした。からでした。そうしてです。
お風呂に入って身も心もすっきりしてでした、ゆっくりと寝てです。
また次の日も高野山の中を見て回ることになりましたが朝御飯の玄米のお粥と沢庵にはです、動物の皆は少し驚きました。
「これはね」
「いや、お寺らしいわ」
「何ていうかね」
「お粥にお漬けもので」
「しかもね」
「お米が玄米なのもね」
「そうだね、けれどね」
ここでまたお話した先生でした。
「昔から禅宗やこうした修行に重点を置いているお寺ではね」
「こうした朝御飯なんだ」
「玄米のお粥とお漬けもの」
「毎朝こうしたものを食べてるのね」
「そうなのね」
「そうだよ、あとお供えものはね」
信者の人達から頂いたものはといいますと。
「全部食べるんだよ」
「全部?」
「全部食べるの」
「それこそ何でも」
「食べないといけないの」
「そうだよ、絶対に残したらいけないんだ」
頂いたものはというのです。
「もう何があってもね」
「どんなものでもなの」
「残さず食べないといけない」
「好き嫌いとか味とか量に関わらず」
「何があっても」
「そうだよ」
まさにというのです。
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