第49話 死亡遊技
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
』と流してやった。
実際は接舷のふりをした、シェーンコップ達が何もせずに飯を食っていただけであるが。
外から音源だけで聞くと、素晴らしい緊迫感が伝えられたのである。
その後、あからさまに、特殊工作艦に判るように、囮船を曳航して星間パトロール(偽)が悠々と同盟惑星方面へと移動するのを、特殊工作艦は見送るしかなかった。
帝国暦484年 1月20日 午前3時
■自由惑星同盟領フェザーン回廊 帝国軍特殊工作艦 ナイトハルト・ミュラー
同盟側の星間パトロールがアイマルラン号に接舷すると船から『同盟軍が乗り込んでくる、来援を請う、来援を請う』と悲鳴のような通信が流れ続けるが、命令であるから我慢するしかない。
「中尉殿、あれは囮じゃありません!助けにいくべきだったのです!」
艦橋内の兵達の視線は味方を見捨てた碌でなしと言う蔑んだ目で私を見ている。私だって助けたい、しかし、此処で正体がばれる危険で、今後のことを考えると仕方のないことなのだ。
暫くすると『艦橋の制圧直前、このまま皇帝陛下の御為に玉砕す。帝国万歳!』の通信を最後に通信は途絶えた。
「やはり、味方だったんだ!」
通信兵の言葉に兵達が頷き、私を見る目が更に厳しくなる。中には涙を浮かべる者もいる。我々は非常に後味の悪い気持ちを抱えながら、更に一日停泊後にフェザーンへと帰還した。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ