第49話 死亡遊技
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に時間はかけられないのだからね」
「了解しました」
「副参謀長殿、今回の我々の仕事はなんですかな?」
シェーンコップがニヤケながら話しかけてくる。
「そうですね、万が一敵が証拠隠滅を計るかも知れないので、囮船に直接乗って貰う訳にはいかないのですよ。強襲揚陸艦を仕込むにも同盟艦では入り切りませんから、帝国の強襲揚陸艇ならば搭載が可能なんですが、無いですからね」
「残念ですな、しかし中佐でも忘れ物をすることがあるんですな、安心しましたよ」
「まあ、色々有りますからね」
「そうなると、此方の強襲揚陸艦で密かに後を着けて襲撃という形ですか」
「そうなってもばれますからね。今回は星間パトロールに化けて駆逐艦で囮船の通信を聞いて急行したという形になるかと。尤も暗号が無いので敵が罠だと思って来ない可能性がありますけどね」
「まあ、当たるも八卦当たらぬも八卦と言うじゃないですか。その時はその時ですよ」
帝国暦484年 1月19日 午後10時
■自由惑星同盟領フェザーン回廊 帝国軍特殊工作艦 ナイトハルト・ミュラー
フェザーン回廊同盟側出口まで進出してきた艦では、数人の民間人の姿をしたクルーがテキパキと作業をしている。姿形は民間人だがその動きの機敏さは彼等が現役の軍人だと伺わせられる状態で有る。
「中尉殿、そろそろ連絡が途絶えて48時間です。いくら何でも遅すぎます。やはり失敗したのでは?」
「手こずっているかも知れません。あと少し通信を続けてください」
一時間後、通信兵が平文の通信を傍受した。
「中尉殿。暗号文ではありませんが、通信を傍受しました」
「内容は?」
「此方アイマルラン号、機関故障により航行不能救助を求めるです」
「どうなさいますか?目標物ですが」
「向こうからの隠語符号は来ていますか?」
「符号は来ていません」
どうするか。罠の可能性も大きい、しかし罠でない可能性もある。
「中尉殿、弁務官事務所に指示を仰ぐのは如何でしょうか?」
「んー、そうなると、機を逸する事になるかも知れないが」
「更に通信文、当船は海賊の襲撃を受け死傷者多数救援を請う、救援を請う」
「まずったな。他の船の出港を疎外させた結果、この宙域に居るのは当艦だけになっている」
「中尉殿、如何されますか?」
「弁務官事務所へ連絡を」
「はっ」
『どうしたかね?ミュラー中尉』
「はっ、アイマルラン号が機関故障により航行不能救助要請が来ております」
『なるほど、巡航艦では無い訳だな、で符号は言ってきているのか?』
「いえ、ありません」
『ふむ。そうなると、罠の可能性も大きいな。無視しろ』
「閣下、宜しいのですか?」
『卿の心配も尤もであるが、今卿等が万
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