第十幕その六
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トロットもメールを送りました、その返事がきますとカルロスはバド王とフラフ王女に笑顔で答えました。
「連絡してくれたそうです」
「それは嬉しいね」
「有り難いわ」
笑顔で応えたお二人でした。
「本当にまたね」
「イッソスの女王とお会いしたいね」
「中々お会い出来ないんですね」
「お互いの国のことがあるからね」
「政治をしないといけないから」
だからと答えたお二人でした。
「それでなの」
「中々ね」
「そうなんですね」
「だからね」
それでとです、バド王はカルロスに言いました。
「今こうしてね」
「僕達にお願いしたんですね」
「そうだよ、しかしね」
「しかし?」
「こうした連絡も今は簡単に出来るね」
そうなったことを喜んでの言葉でした。
「そうなったね」
「携帯のメールで」
「本当に簡単にね」
「昔は違っても」
「僕達が王様になった時なんか」
その頃のオズの国はというのです。
「そんなものとてもなかったから」
「想像も出来なかったわよ」
フラフ王女も笑ってカルロスにお話します。
「携帯なんて、あとコンピューターも」
「そちらもですね」
「そうよ、潜水艦だってなかったし」
その頃のオズの国はです。
「この国だってオズの国の外にあったわね」
「死の砂漠の」
「そう、死の砂漠も大陸の端になかったし」
そうした状況でもなかったのです。
「外の世界からは簡単には見えなくてレーダーにも反応しない結界もなかったわね」
「あっ、結界ですね」
「その結界があるからね」
「僕達もですね」
「オズの国が見えないのよ」
外の世界からはです。
「お空からも見えないし」
「地球にあってもですね」
「地図には海としか描かれていないわね」
「そうなんです、オズの国のありそうな場所は」
この地球に確かに存在していてもです。
「そこは海になっています」
「そうもなっていなかったのよ」
「その頃はですね」
「そう、それが変わったし」
「携帯での連絡もですね」
「出来る様になったから」
だからだというのです。
「嬉しいわ」
「イッソスの女王様にも連絡出来て」
「本当にね」
「僕達も携帯は持っているよ」
笑ってです、バド王がお話してきました。
「ちゃんとね、けれどね」
「けれど?」
「実は侍従長さんが管理しているんだ」
バド王とフラフ王女の携帯はというのです。
「だから気軽には使えないんだ」
「そうなんですか」
「うん、王様と王女様は携帯は気軽に使うべきでない」
「そう言われてなの」
二人でカルロスにお話します。
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