第十一章 遥か、はるか
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法女子ほのか」のことだ。
早い話が、主人公が胴体両断されて殺されてしまったのだ。
巨大な斧で、スパッと。兄貴のブレーンバスターと同じくらい、躊躇なく容赦なく。
シルエットなので、両断されたという確証はないが、ほぼ間違いないだろう。
アニメには約束事というものがあり、もし「シルエットを使った視聴者に対してのトリックで、実はピンピンしてましたあ」では、それこそルール違反というものだ。
つまり、普通に考えて主人公のほのかが真っ二つにされたことに間違いない。
つまり、普通に考えてほのかは助かりっこない。
「あたしが、変なことばかり考えていたからかなあ」
ほのかが、無残な最後を遂げることになったのは。
変なこと、とは、次のようなものである。
ほのかの声、元祖は敦子であるが、テレビアニメ化にあたり那久唯奈に変更されている。大人気アニメ「はにゅかみっ!」の主人公で有名な、人気声優だ。
敦子としては、自分の持ちキャラを取られてしまったという、相当に悔しい思いがあった。
その思いが、無意識のうちに怨念になっていたのではないか、ということだ。
「でも……」
那久さんの演技を素晴らしく思い、尊敬し、勉強しようと思っていたことも間違いのない自分の気持ち。
だから別に、わたしが呪ってこうなったわけではない……はず。
だいたい、もしもそんな能力があるくらいなら、持ちキャラを死なせて仕事奪ってやれとか、そんなセコセコしたことじゃなくて、那久さん本人に呪いが行くのが当然ではないか。
だから、わたしはなんにもしてない。
変なパワーなんか発していない。
無実、そう、無実だ。
「とはいうもののなあ……」
後味がよくないのも確かだ。
ほのかの一ファンとしても、
ほのかの初代声優を務めた身としても。
こんなことを考えていて、なにがどうなるものでもないけれど。
わたし自身の気持ちは、それはそれとして置いといて、この先、一体どうなるのだろうか。
ほのかは。
残った最後のパワーをあおいたちに分けて、自らは朽ち果てて、とか、せいぜいその程度の結末しか考えつかない。……あんな倒され方では。
そうなったら、もう、出てこないのかなあ、ほのか。
だって、どう考えても、助かりっこないものな。
それとも、なにかあるのか。カラクリが。
死んだのは影武者だった、とか。
「いやいやいや、だとしたらその影武者こそが物語の主人公であって、そのキャラの死んだ重みに変わりはないでしょう」
武士道戦隊チャンバラファイブで、殿の正体が殿の影武者だったけど、それと同じだ。
でも……
死んじゃった、
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