ペルソナ3
2061話
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時間に適性のない人間だろう? まさか、桐条グループでもない連中が、影時間の中で動けるようになる道具を開発するとは思えないし」
黒服達の指に嵌まっている指輪が、それだ。
だが、そのような物を開発、製造出来たのは、あくまでも桐条グループだからこそだ。 何の後ろ盾も存在しないタカヤ達に、そのような真似が出来るとは到底思えない。
いやまぁ、もしカルト宗教繋がりでどこかの勢力が後ろ盾をする可能性は否定出来ないのだが。
「念の為だ」
結局そう言う武治に、それ以上は何も言わない。
実際、何かあった時にこっちの手数が増えるというのは、悪くないというのもある。
そうして話している間にも、時間は経ち……全員が戦闘準備を整え、準備万端になり……やがて、運命の時を迎える。
周囲の景色というか、雰囲気が一変し、いつもの慣れた影時間の光景に姿を変える。
だが、それもいつもの影時間と同じ光景でありながら、同時に今までとは全く別の影時間とでも呼ぶべき光景。
雰囲気が……そう、雰囲気とでも呼ぶべきものが、今までの影時間よりも明らかに濃いのだ。
それこそ、イレギュラーシャドウが出る時の雰囲気にも似ているが、同時にその何倍……場合によっては数十倍近い濃密な死の気配とでも呼ぶべきもの。
そして、同時に……
「やぁ、お待たせ」
不意に……本当に何の兆候もなく、望月の姿が俺達の近くにあった。
転移してきたとか、何らかの手段で見えないようにして入ってきた……というのではなく、純粋にここで実体化したかのような、そんな姿。
今の望月は俺も知っている、それこそ月光館学園にいる時と同じ姿だ。
以前アイギスとの戦いで見せた、刈り取る者を思わせるような、シャドウとしての姿は見せていない。
「いよいよ、今日だよ。……準備はいいんだよね?」
「ああ」
尋ねてくる望月に、短く答える。
そんな俺を見て満足そうに頷いた望月は、次に有里に視線を向ける。
「湊君、君は大丈夫かな?」
望月は学校に通っていた頃から、有里と仲が良かった。……まぁ、その度にアイギスに邪魔されたりもしていたけど。
その理由も、望月がどのような存在で……今までどこにいたのかを考えれば、それこそすぐに納得出来たけどな。
そして、有里が頷くのを見て、望月は心の底から嬉しそうに……そして、悲しそうにする。
今の姿を取るまで、ずっと有里の中で眠っていたのだ。
望月にしてみれば、有里に対して思うところが色々とあるのだろう。
とはいえ、今はそれを言ってるような時ではない。
それは望月も分かっているのか、改めて俺を……そして、この場にいる全員に視線を向ける。
黒服の何人かは、望月の姿を見て意表を突かれたような表情を浮かべている
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