第二章
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金蓮はまた西門慶に抱かれた、金蓮は易者の言葉は完全にあてずっぽうだと思っていた。しかしここでだった。
西門慶は贅沢と好色の末に怪しげな薬を飲んで死んだ、そうして家は彼の悪い意味でもであるがその商才で成り立っていただけに瞬く間に傾いた。その状況を見て目端の利く金蓮は持てるだけのものを持ってだった。
屋敷を出た、そのうえで。
贅沢な生活を再開した、それでだ。
彼女は雇った者達にだ。その贅沢な話の中でこんなことを言った。
「とりあえずはいい暮らしを出来てるがね」
「それでもですか」
「これからのことを考えると」
「女ってのは男がいないと駄目なんだよ」
こう言うのだった。
「自分を養ってくれるね」
「じゃあ誰か金持ちを見付けますか」
「西門慶の旦那みたいな」
「そうした人を見付けますか」
「そうしますか」
「そうするよ、さて次は誰がいいかね」
優雅に椅子に腰かけつつ言った。
「偉いお役人かお金持ちの旦那か」
「誰かを見付けてそうしてですか」
「ああ、贅沢に暮らしたいね」
こうしたことを言っていた、そうして。
金蓮は今度は宰相の蔡京の息子の話を聞いた、ある州で知事をしているとのことだ。この者が妾を探していると聞いてだ。
すぐにだ、こんなことを言った。
「よし、じゃあ今度はね」
「宰相の息子さんの妾ですか」
「あの九男さんの」
「あの方のところに行ってですね」
「入るよ」
妾の座に収まるというのだ。
「そうしてね」
「またですね」
「贅沢な暮らしを楽しむ」
「そうするんですね」
「ああ、そうしようかね」
使用人達に笑って応えてだ、そのうえで。
その蔡京の息子のいる州に行こうとした、しかしだった。
その金蓮のところに二人の男が向かっていた、一人は大柄で筋骨隆々の坊主でもう一人はというと。
行者の服を着た武松だった、武松はその坊主である魯智深共に二竜山で賊達の棟梁をしている彼に言った。
「悪いな」
「ああ、御前の兄貴の仇を討ちに行くことか」
「一緒に来てもらってな」
「ははは、こうした時はお互い様だろ」
魯智深は武松に笑って返した。
「ましてや御前の兄貴を間男と共に殺す様な奴はな」
「成敗すべきか」
「そうだ、だからな」
「一緒に来てくれたのは当然のことか」
「残念だが間男は死んでいたな」
「ああ、あいつは薬で死んだ」
武松もこのことは知っている。
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