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リング
60部分:ローゲの試練その十四
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ローゲの試練その十四

「司令を倒して」
 テルラムントが襲い掛かって来た。彼はビームソードを持って彼に斬り掛かって来た。
「くっ」
 ローエングリンはその太刀をかわした。そして自らも剣を抜く。
「どうやら。まともに教えてはくれないようだな」
「教えるも何も」
 オルトルートはさらに言う。
「司令にはここで死んで頂きます。我等が一族の為に」
「我等が一族の為に!?」
「それ以上は冥界で御聞き下さい」
 オルトルートも銃を放って来た。しかしローエングリンはそれもかわした。彼は剣術も体術も突出したものを持っているのであった。
「それでは御機嫌よう」
 再び狙いを定める。テルラムントも同時に襲い掛かる。それで万事休すかと思われた。
 だがそれは早計であった。ローエングリンは跳んだ。それでテルラムントの剣もオルトルートの銃も同時にかわしたのであった。
「ヌッ」
 オルトルートの声が漏れた。だがローエングリンはその間にテルラムントを上から斬った。それで頭を後ろから前に斬る。
 そして回転しながら態勢を立て直しオルトルートに襲い掛かる。ビームソードを投げてきた。
 それは彼女の胸を貫いた。明かに致命傷であった。 
 着地した時既に二人は床に倒れていた。テルラムントは即死であった。
 だがオルトルートはまだ息があった。ローエングリンはそれを確認すると彼女の方に歩み寄った。そして問うた。
「さて、教えてもらおうか」
 彼は胸を貫かれ倒れ伏すオルトルートに対して声をかけた。
「貴様は一体何者なのかを。いいか」
「うう・・・・・・」
 オルトルートは口から血を吐き出していた。もう助からないことは明らかだった。だがそれでも彼は問うた。何か知っているのは間違いないからだ。
「わ、私は・・・・・・」
「私は?」
「ニーベルング」
 彼女は言った。
「ニーベルングの一族。名をオルトルート=フォン=ニーベルングという」
「クリングゾル=フォン=ニーベルングの一族だったのか」
「そうだ。クリングゾル様は我等の長」
 オルトルートは言う。
「偉大なる我等の主。全てを統べられる方だ」
「そうか、あの男はニーベルング族の主だったのか」
 ローエングリンはそれを聞いて心の中で頷いた。
「そして。あの術もニーベルング族の術だったのだな」
「そうだ」
 彼女はそれを認めた。
「人の心を操る術。これは我がニーベルング族が得意とするもの」
「やはりな」
「我等はそれで以って軍を支配してきた。今の軍も」
「そうだったのか。それだからこそか」
 ここでローエングリンが思っていた謎が一つ消えた。
 それは何故クリングゾルの軍が急激に増強されたかである。その理由の一つがこれであったのだ。オルトルートのように人を洗脳し、
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