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二条卿の歌
第四章
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 供の者達は主の言葉に従い車を動かした、実朝はもう後ろを振り向くことはなかった。そして彼は前に見える満月を牛車の中から見て適わぬ恋が終わり今はは只の思い出になっていることについて人の心の移ろいとこれまでの悩みや苦しみの大きさそれが消えたその中であったことも思い出した。それはもう彼の中では終わっていることだった。長く悩み苦しんだ末に。


二条卿の歌   完


                   2018・1・12
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