第二章
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すぐに戦争がはじまった、俺は空母で零戦に乗り戦いに参加していた、その空母に貴様が来た時は心から喜んだ。
「そうか、貴様は艦爆か」
「それに乗っている」
空母の上で俺に笑って言ったな、覚えているな。
「九九式にな」
「そうか、では出撃の時はだ」
「貴様がだな」
「護りは任せろ」
零戦に乗っている俺にと告げた。
「いいな」
「わかった、では敵艦はだ」
「沈めてくれるな」
「そうだ、任せろ」
二人で話してだ、そしてだった。
俺達は共に戦っていった、だがマリアナの時にだ。俺は艦隊の護衛として残ったがその時にだった。
貴様は一番機として出撃した、しかし夕刻になっても帰って来なかった。俺は空母の甲板から正面に見える海の中に沈もうとしている夕陽と夕陽が照らす海と空、そして甲板を見ながら共に帰還を待つ部下達に言った。
「帰って来ないな」
「はい、一番機が」
「隊長の同期の方でしたね」
「あの方の機体が」
「そして他の機体も」
「どうなっているんだ」
俺は苦い顔で呟いた。
「出撃した奴が全く戻って来ないぞ」
「まさか米軍にやられたんですか」
「全機」
「そうなったんでしょうか」
「有り得ないと思いたいがな」
しかしとだ、俺は思った。
最近のアメリカ軍はどんどん強くなっている、兵器の質がよくなっている。うちとは正反対に思えた。
そしてこっちは整備がまずくなっていてこれまで大勢死んだせいで新兵が多くなって腕の立つ奴も減っている、それならだった。
「まさかな」
「全滅ですか」
「全機」
「そうなってしまいましたか」
「かもな、あいつも」
嫌な予感がした、そしてその予感は的中した。
敵艦隊を攻撃に向かった航空機隊、貴様を含めてその殆どは米軍の迎撃機と対空射撃で全滅した。生きて帰った者は殆どいなかった。
艦隊も米軍の攻撃でこれまでにない被害を受けた、俺も何とか生き残ってだった。日本まで帰った。
それからレイテの戦いにも参加したが日本はどうしようもなかった、俺は鹿屋の基地に配属になったが。
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