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昼のバンパイア
第六章

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 二日後にヴァンピールが来てくれて修之達の調査を聞いて資料を読んだうえでだった。怪しいと思われる者の墓を掘り起こし。
 生きている者の様に赤らんで柔らかい肌のその男の胸に杭を打ち込み首を切断して退治した。こうしてこのバンパイアの騒動と調査は終わったが。
 すみれと未可子は日本に戻ってからだった、こう言ったのだった。
「いや、まさかね」
「調査しててこれはいるって思ったけれど」
「それでもよね」
「まさかお昼に出るなんてね」
「思わなかったわね」
「そうよね」
 二人で博物館の食堂で食べつつ話した。
「あれはびっくりしたわ」
「襲われるところだったし」
「まさかの遭遇だったし」
「危なかったしね」
 それにと言うのだった、二人共ハンバーグ定食を奇麗な食堂の中で食べている。そうしつつ向かい合って話している。
「いや、本当にね」
「お昼にも出る吸血鬼がいるのね」
「吸血鬼は実際にいて」
「それでよね」
「お昼にも出る」
「そうなのね」
 二人でしみじみと話す、そしてだった。すみれは唸る様な顔で未可子に言った。
「吸血鬼についての資料とか展示するけれど」
「今用意してるわね」
「その資料の展示とか説明文とかはね」
「私達がしてるけれどね」
「正直ね」
 考える顔での言葉だった。
「今回のことはかなり勉強になったし」
「それじゃあね」
「いい仕事出来そうね」
「そうよね」
 未可子もすみれのその言葉に頷いた。
「お陰でね」
「吸血鬼自身にも遭遇したし」
「そのこともあってね」
「いいお仕事出来て」
「いい説明が出来そうね」 
 全て終わってから思うのはこのことだった、そして二人は実際に自分達が満足出来る仕事を出来て博物館に来た客達に的確な説明も出来た。その時に言うことは決まっていた。
「吸血鬼は実在するんですよ」
「確かに」
「このことは事実です」
「紛れもなく」
「お昼に出る種類もいます」
「このこと注意して下さいね」
 バンパイアの存在を信じない者達にも夜にしか出ないと思っている者にも話した、二人にとってその目で見たものは何よりも確かな真実であっただけに。


昼のバンパイア   完


                    2018・1・16
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