第48話 亡命案内
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ていただけますね」
その言葉に、観念したのかファーレンハイトはしゃべり出した。
「確かに小官はアーダルベルト・フォン・ファーレンハイト中佐だ、任務もそこまで知られているのであれば隠してもしょうがあるまい、中佐の言う通りだよ」
リーファは、ラインハルトに代わりなぜファーレンハイトが来たのかを知りたいので質問をする。
「所で中佐、なぜこんな危険な任務を受ける気になったのですか?」
「貴官の言うように私は赤貧で育ったからな、食うためには階級を上げたいので、この話に乗ったのだよ、無事帰還できたら、非公式ながら2階級昇進が約束されていた」
うーん、なぜラインハルトは受けなかったんだろうか?
「中佐、貴方以外にこの任務を打診された人物はいなかったのですか?」
「いや、小官はその様な話は聞いてないな、第一極秘だから、その様な話は外に出ないからな」
んーあまりあからさまに、ラインハルトの事はを聞いたら、味方にも怪しまれるかもしれないから、情報部に調べてもらうか。それと食い詰めの処置を考えよう。
「ファーレンハイト中佐は、これからいかがするつもりですか?」
リーファとシェーンコップ以外は、何を言うんだこの人はと言う顔をする。
「どうするも何も、捕虜になったのあるから、其方に身を預けるしかあるまい」
「ファーレンハイト中佐、お国にご家族はいらっしゃるんですか?」
「すでに両親も亡くなり、小官一人だが、それが何か?」
「いえね、大貴族の命令で潜入失敗した、一中佐を捕虜交換で帰したら、
そのまま行方不明か、心臓発作で死亡ですかね?」
その言葉を聞いて、ファーレンハイトも考え始める。
「中佐は、小官にどうしろと言うのですかな?」
「いやね、仲間になりませんか?」
その言葉に全員が唖然とした表情になる。
しばし時間がたつと、シェーンコップが大笑いを始めた。
「ハハハハ、尋問中にヘッドハンティングですか、前代未聞ですな」
「どうせ闇から闇に葬り去られるのが予見できるのなら、捕虜交換時に帝国側に引き渡す訳にはいきませんよ」
「そう言う事なら、できれば解放してもらいたいが無理だろうな」
「それは無理ですね。やはり此方に来ませんか、確り身元引き受けはしますよ」
「そうは言っても帝国人としての矜持もある」
「大貴族同士の内ゲバで死んでこいと言われたような任務がまかり通る帝国にそんなに未練がありますか?」
「同盟人の貴官には分からない事だろうな」
「分かりますよ。私の祖母も帝国からの亡命者です。私も四分の一は帝国人ですよ、よく祖母から帝国の話はよく聞いていましたから」
その言葉にファーレンハイトは黙って考えてしまうのであった。
「もう少し時間が必要でしょう、私は貴方の勇気を称えますよ」
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