57部分:ローゲの試練その十一
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ローゲの試練その十一
「そこまで出しているとはな。だがそれだけなのか」
「それだけとは」
「前方の二個艦隊だ。動く可能性は出してはいないのか」
「ローゲは動かないと出しております」
「どの様なケースでもか」
「はい。テルラムント提督の艦隊はあえて機動力を捨てて重装備に徹してるようです。これを御覧下さい」
彼はまたモニターを切り替えた。
そこにはテルラムントが率いる艦隊が映し出された。見ればあえて過剰にビーム砲やミサイルランチャーを装備し、移動よりも攻撃に重点を置いていた。
「成程な」
ローエングリンはそれを見て呟いた。
「彼等が鉄か」
「そして後ろが金槌です」
「では金槌を叩くとしよう」
彼は言った。
「予定通りな。その方がいい」
「はい」
これはすぐにわかることであった。
「見たところテルラムントの艦隊は守りが固い。そこを無理に攻めて後ろから攻撃を受けては何にもならない」
それこそが彼等の狙いである。だからそれだけはするつもりはなかった。
「ならば敵の考えの逆を衝く。それで行こう」
「了解です」
「ローゲの言葉に従う。全軍反転」
「了解」
ローエングリンの言葉に従い全ての艦艇が反転する。その動きは絶妙なまでに速かった。
「そしてそのままこちらから見て右翼の艦隊に攻撃を仕掛けるぞ。よいな」
「はっ」
部下達はそれに頷く。
「然る後に残る二個艦隊を撃破していく。それからテルラムント提督が率いる艦隊を叩く。よいな」
「わかりました。それでは」
「うむ」
こうしてローエングリンはローゲの出した作戦に従い戦術を進めた。まずは五個艦隊全てを以って右翼の艦隊に襲い掛かった。
「敵は戸惑っております」
「そうだろうな」
彼はベームの言葉を聞きそれに頷いた。
「まさかこちらから来るとは思っていまい」
「どうされますか」
「予定通りだ。このまま攻撃を仕掛ける」
彼は迷うことなくこう言い切った。
「よいな」
「了解。全艦砲門開け!」
それに従い攻撃指示が出される。
「攻撃目標正面。一気に押し潰すぞ!」
「了解!」
「全艦撃てーーーーーーーーーーーーーっ!」
号令と共にビームが放たれる。そしてそれはまだ戸惑っていた敵艦隊を一撃で粉砕した。五倍以上の戦力による一斉攻撃に耐えることはできなかった。
その一撃で右翼の敵艦隊を粉砕するとローエングリンは艦隊をそのまま突っ切らせた。
「そのまま前に進め」
彼は言った。
「残存艦隊は次のミサイル射撃でかたをつける」
「はっ」
「それで敵陣を突破する。そして次の攻撃に移るぞ」
彼はさらなる攻撃を下した。そしてその言葉通りミサイル攻撃が行われ右翼の艦隊は完全に戦力を喪失した。そのうえでローエングリンは艦隊
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