ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
16話 復活と再会と報告と
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な。…まあ、それでいいか」
「よかったね、よろしく、ルー」
付けられた名前が気に入ったのか、ルーは小さく鳴いた。
「へぇ、これがヒートヘイズ・インゴットかぁ」
リズベットは渡されたインゴットをなめるように見ている。少しだけ赤みを帯びた純銀のような光沢を持つそれこそ、インフェルノ・ドラゴンのドロップ品、ヒートヘイズ・インゴットである。
「それじゃあ、早速うってくる。少しの間、店番よろしく!」
「了解」
リズベットは嬉々としてインゴットをもって、奥の作業場へそそくさとその姿を消す。そして、すぐに工房から金属を鍛える甲高い音がテンポよく流れてくる。
「…やっぱり、このレベルのインゴットだと、かなりいい剣が打てるな」
音を聞きながら、ツカサが小さくつぶやいた。ツカサ自身、鍛冶スキルをほぼコンプリートしているため、鍛冶のシステム上の設定についても詳しい。この世界では、剣をインゴッドから鍛える時、打った回数で剣のランクが決まる。打てば打つほどハイレベルになっていくのである。すでに150回は越えただろう。やがて、200を少し超えたところでその音は途切れる。
続いてリズの歓声が聞こえ、バタバタという足音とともにリズが出てくる。その手には棒状のものが握られている。
「今までの最高傑作ができた!」
興奮した様子でリズはそれをリアに差し出して見せる。
それは、一振りの細剣だった。元の金属の赤みは消え、刀身は純白、柄部分は青みがかっていて、すらりと美しい女性像を連想させる。
鑑定スキル持ちのリアが情報を開くと、どうやらその剣の名前は“ランベントライト”というらしい。かなりのスペックである。
なんとなく、予想がついてしまったリアは、一応確認のためにと質問する。
「ねぇ、リズ。その剣って、誰からの依頼?」
「あれ、言ってなかった?血盟騎士団副団長のアスナからよ」
「ですよね…」
思わずリアは苦笑いをする。
「リズ、そのインゴットとってきたの、私たちだって言わないようにしてくれないかな?」
「え?…別にいいけど…」
少々困惑の表情を浮かべたリズだったが、リアから再び剣を受け取り、代わりにトレード画面を開いて、リアに約束の報酬を渡す。
「毎度あり。また何かあったら言ってね」
「そうすることにするわ。本当にありがとう、助かった!」
「ならよかったよ。じゃあ、またね」
リズに手を振りつつ、彼女の店を後にする。
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