ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
16話 復活と再会と報告と
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った。
「リア…?」
実質的にはリアが今握っているものはデジタルデータだが、確かにそこにはツカサの存在があった。困惑しているツカサにもう一度笑いかけると、その手を放し、上半身を起き上がらせる。と
「ッ!?」
自分の体温よりも高く、湿っていてざらざらしているが、尚且つ柔らかいものが、頬に下から上へと這い上がる。
そこには大型犬ぐらいの犬…いや、狼がいた。リアはたっぷり数秒それを見つめてから、ツカサを横目で見る。
「…ツカサ君、いつの間にビーストテイマーになったの?」
ツカサは深い溜息を吐くと立ち上がった。
「はぁ…話始めると長いな。ここで出てから詳しく話すよ。…ほら、行こう」
差し出されたツカサの手。リアは顔をほころばせ、躊躇なくその手を取った。
「へぇ、随分イレギュラーなんだね」
リアはティバインウルフを見ながら返事をする。
リアが倒したインフェルノ・ドラゴンのドロップ品として、無事ヒートヘイズ・インゴットを手に入れることができたため、現在、依頼主であるリズベットの店があるリンダースへと向かっていた。その道中で、ティバインウルフをテイムした経過を聞いているのである。
「そこなんだよな。使い魔としてあまりにもイレギュラーが多すぎるんだ。…まぁ、実際戦ったぐらいの戦闘力はあるはずないが、それでもそこら辺のモンスターよりもよっぽど強いだろうから、腹をくくるしかないか」
「そうだね。ツカサ君がビーストテイマーかぁ…。そういえば、名前はもう決めたの?」
「…決めてない」
少々気まずそうな顔をするツカサ。腹をくくるなどといってもやはりビーストテイマーになるのは少々の抵抗があるようだった。リアはそれを察し、気持ちを引き立てるように言う。
「ちゃんと名前決めようよ。…ツカサ君は何か考えてあるの?」
「いや、特には」
リアの顔が、いたずらっぽく光る。
「じゃあ、私が決めてあげるよ。…じゃあ、ツカサ丸!」
「却下」
「ツカ衛門!」
「なんだそりゃ」
「ツカ次郎!」
「だめ」
「ツカ蔵」
「象にそんな種類がいそうだな。…って、何でどれも俺の名前を江戸時代風みたいにしてるんだよ」
「え〜、いいと思ったのにな〜」
あまりにも確信犯過ぎて、ツカサは溜息を吐いた。だが、いつもよりも何倍も、このくだらないやり取りが楽しい。
今度は割合真面目な顔になったリアの顔がパッと輝く。
「じゃあ、ルーは?フランス語で確か狼って意味だったよね?」
「今度は真面目だけど、そのまんまだ
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