ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
16話 復活と再会と報告と
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られた。
ツカサは顔を上げると、そのふさふさとした頭を撫でた。するとそれは、気持ちよさそうにとろりと目を閉じる。それを見ると、思わずツカサはため息を吐いた。
そう、何を隠そう、この狼は、先ほどまで命を懸けた戦いをしていたティバインウルフなのである。それが、なぜか全く理解ができないが、無防備となったツカサに止めを刺さずに、いきなりテイムしたという無機質な知らせが、ツカサの目の前に表示されたのだ。
通常、テイムというのは一般的なモンスターにしか行えない行為であり、なおかつ、テイムをするには、個人差があるモンスターの好みの食べ物を上げなければいけない。このティバインウルフはどちらも当てはまらない。ティバインウルフはボスモンスターだし、ツカサが何か食べ物を上げたわけでもないのだ。
しかも、テイムした場合、それを受け入れるか否か、というのをテイムしたプレイヤーは選択できる。あまりにもステータスが低いモンスターを誤ってテイムした場合、それを取り消しするためだ。だが、そんなものは一切なく、一方的に「テイムしました」とだけ。
こうして、まったく不本意にツカサはビーストテイマーとなってしまったのである。
しかも、普通の使い魔と違う点はほかにあって、それは戦闘していた時と体の大きさが違うというもの。そもそも元の大きさといえば、家一軒ほどの巨体なのだ。それが今は尾を入れないで2メートル程度。それでも十分大きいが、元々のサイズを見ているので、やけに小さく見える。
戦闘時にはまた元のサイズに戻るのかと、ティバインウルフの頭を撫でながら、ツカサはぼんやりと思った。もしそうだとしたら、まるで自分の無限槍のようだ。
機械的に手を動かしていると、不意にただの突き当りだった右側の壁がいつの間にか消滅していることに気が付く。慌てて立ち上がり、そこまで足を進めると、下りの螺旋階段が口を開けていた。壁に松明があるものの、薄暗い。
確かに、ここは突き当りだったはずだ。それが消え去って道となったとなると、出現理由は恐らくリアが戦闘していたモンスターを倒したからだろう。
HPでわかっていたものの、なんとなくほっとする。
壁に寄りかかり、待つこと数分。それでもリアの姿は現れない。
さすがのツカサも、これには焦る。戦闘はHPの減りが一切ないことから、すでに終わっているはずなのだ。なのに上がってこないといのはどういうことなのだろう。
薄暗い階段を数秒見つめ、ためらいなくその足を進
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