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2章 生き様
16話 復活と再会と報告と
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 そのHPが、リアの最後のヴォーパルストライクによって削りきられるまでに、十分とかからなかった。








 HPバーがすべてなくなり、消滅しても、ドラゴンは普通のモンスターのように、その身を散らせはしなかった。ただ、じっとリアを見つめている。やがて、ゆっくりと瞬きをした後に、



「いやぁ、そなたの強さには感服した。わしの負けを認める」
「それはどうも」


 だが、紅炎の瞳は、そのあと、悲しげにふっと伏せられ、そしてまた視線が交錯する。


「わしはもうすぐ消えるじゃろう。だが、その前に一つ忠告したいことがある。…そなたの執着心は非情に強く、もはや異常といえる域に達しておる。もちろん、それは相手を強く好いておるということかもしれぬが…じゃが、気を付けるが良い。その強すぎるそなたの執着心は、いつかすべてを滅ぼすやもしれぬからの…」





 言い終えた瞬間、インフェルノ・ドラゴンは一瞬硬直し、すぐにその体はポリゴンとなってリアに降り注いだ。





 それを見終えた後も、リアは身動きをしなかった。いや、動けなかったのである。


 


 だが、それも数秒で終わりを迎え、戦闘が終わったことによる気のゆるみと、先ほどまで神経を針のように研ぎ澄ませていた反動で、脚から力が抜け、ばたりとあおむけに倒れる。





 鍾乳石が所狭しとぶら下がっている天井を仰ぎ見ながら、浅い呼吸を繰り返し、ふと、リアは天井に向かって手を伸ばした。


 数十メートルもある天井に届くはずもなく、ただそれは宙をさまよう。




 ふっと、リアは自嘲気味に笑うと、伸ばした手の甲を下にして、目の上に充てた。






 熱い液体が頬を伝った気がしたのは、気のせいだろうか。









 ツカサは、この階段さえ昇れば再び地上に出られるというところで、その階段に腰を掛けていた。もうすでにこうして待ち続けて1時間が経とうとしている。

 だが、リアの姿は一向に現れない。


 先ほど、いきなりHPが半分ほどまでに減ったときには一瞬驚いたが、すぐに左耳につけているイヤリングの機能を思い出した。つまり、リアのHPがレッドゾーンにまで食い込んだのだ。



 今までずっと一緒にいたが、レッドゾーンに入ったことなど、片手で数えるほどしかない。つまり…そういうことだ。


 
 残っていた回復アイテムで回復し続けていたが、その減少も微々たるものになっている。相手のアルゴリズムにもなれたのだろうか。









 膝に肘を乗せ、頭を垂れるツカサの頬に、湿ったものが押し当て
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