ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
16話 復活と再会と報告と
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けたとき、両方のプレイヤーのHPが減る”というもの。
もっとわかりやすい例で例えよう。イヤリングを装備している2人のプレイヤーのHP総数をどちらも100とする。片方のプレイヤーが戦闘状態に陥り、HPが20とレッドゾーンになったとき、2人のHPバーは連動されるため、二人のHPを足して2で割った数、つまり、60と表示される。そして、まだ戦闘が続いている場合、すでにHPバーは連結したままになっているため、戦闘しているプレイヤーが使えるHPは実質120となる。もちろん、もしそれさえも削りきられてしまったら、お互いが死に至る。
一度連結されてしまったら、お互いのHPがマックスになるまで永遠に連結されたままになり、連結されてからイヤリングをとっても、その効果は持続してしまう。“共存”とも、そして“共死”ともとれる効果だ。
いくらお互いを信用いているとはいえ、こんなアクセサリを装備しようというペアなど、なかなかいないだろう。だが、それはリアとツカサにはお誂え向きだった。いや、どちらかといえば、まるでこの2人のためだけに作られたようなものだ。
「まあ、確かにこんなアクセサリを装備しようなんていうプレイヤーはなかなかいないだろうね」
「まったくじゃ…正気の沙汰とは思えん……いや」
一瞬だけ、リアはドラゴンがほんの少し、微笑んで見えた気がした。
「そなたら二人にはお似合いかもしれんな」
それにつられて、思わずリアに顔にも微笑が浮かぶ。だが、それはすぐに消え、リアは再び剣を構えた。
そのHPはその時も回復し続けていて、それはリアの戦闘時回復スキルと、そしてHPの減少に気づいたであろうツカサがポーション、または回復結晶を使って回復させているのだ。
それはつまり、ツカサの回復アイテムが切れるまで、リアが回復モーションを起こさなくてもいいということになる。それは一対一で戦っているこの状況では大変ありがたい。
そして、それは自分が一人ではないということを表示しているのであり、今まで心の片隅に抱えていた不安も一度に消し飛んだ。
「ごめんね、勝たせてもらうよ」
リアは小さくつぶやくと、インフェルノ・ドラゴンに躍りかかった。
それまでのリアの精神不安定のために出ていた小さなミスが無くなり、冬の早朝の空気のように澄み切ったリアの頭と神経に、ドラゴンはなすすべもなく、圧倒的な力によってHPをがりがりと削られていった。もはやそれは、一瞬それが一対一ではなく、集団リンチを思わせるものがある。
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