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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第160話「見えない打開策」
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、奏は今ので効くとは微塵も思っていない。

「(他の皆は……まだ、ね)」

 妖の防衛自体は、紫陽がやっているおかげで、戦力は足りている。
 しかし、“どう動くべきか”を決めかねていた。
 付け加えれば、守護者のあまりの強さに体感時間が狂っており、奏が思っているほどに時間はあまり進んでいないのもあった。

「ッ!」

 再び矢が飛んでくる。
 加速度を保ちつつ、ギリギリでそれを躱す。

「くっ……!」

 さらに追撃の如く放たれる瘴気の触手を避ける。
 だが、それを避けていては退路が断たれてしまう。

   ―――“紅焔-真髄-”

「ッッ……!」

〈“Jump(ジャンプ)”〉

 そこへ放たれる焔の霊術。
 奏は咄嗟に転移魔法でそれを避け……。

   ―――“Delay(ディレイ)-Octet(オクテット)-”

「はぁっ!!」

 同時に、さらに加速する。
 転移先は守護者の背後。
 タイミング的にも絶好。初見殺しの必殺とも言える一撃。
 事実、守護者も不意を突かれており、その一撃は刀で防げなかった。

 ……“刀”では。

     キィイイイイイン!!

「ッ……!?障壁……!」

   ―――“扇技・護法障壁-真髄-”

 事前に仕掛けられていたであろう、障壁が展開される。
 奏が振るった二振りの刀は、その障壁にあっさりと阻まれてしまった。

「くっ……!」

 同様する暇はなかった。
 即座にその場から離脱。一気に間合いを取る。
 次々と、寸前までいた場所に、守護者の攻撃が突き刺さる。
 
「(まだ追いつかれる……!だったらもう……限界を走り続けるしかない!)」

   ―――“Delay(ディレイ)-Nonet(ノネット)-”
   ―――“Delay(ディレイ)-Dectet(デクテット)-”

 加速し、加速する。
 音を置き去りにし、その場に残像を残し、奏は神速で動き続ける。

「ッ……!ぁあああっ!!」

     ギギギギギギギギギギギギギィイイン!!

 限界の速度且つ、限界の力を振り絞り、守護者の二刀を凌ぎ切る。
 常に全力の出力で戦っているため、何とか吹き飛ばされずに済む。

「(早い、鋭い、重い……!優輝さんと違って、反撃に重点を置いていない分、私自身が攻めあぐねている……!)」

 流れるような太刀筋は、どこか優輝に似た太刀筋だった。
 真正面から防ぐ訳ではなく、軌道をずらすことで受け流す動き。
 だが、導王流と違って防御よりも攻撃に主体を置いていた。
 攻撃の箇所をずらす事で、導王流とやりあえた奏からすれば、攻撃は通しやすい。
 ……が、それは速度が拮抗してい
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