第5章:幽世と魔導師
第160話「見えない打開策」
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……。
―――ガードスキル“Delay”、“Hand Sonic”
ギィイイイン!!
「ッ……!」
「奏!!」
「早く、離れて……!」
庇うように割り込んできた奏によって、何とか矢は逸らされる。
守護者との距離が大きく離れていからこそ、できた事だ。
「だが!」
「ッ!」
「ぐっ!?」
―――“Delay”
食い下がろうとする神夜だが、即座に奏に蹴り飛ばされる。
同時に奏もガードスキルで少し後ろに下がる。
直後、矢がそこを通り抜ける。
「ッ……!」
「奏!?」
「『私が時間を稼ぐ。その間に援護と打開策を……!』」
奏はそのまま守護者へ向けて宙を駆けていく。
ヴィータの呼び声を無視し、念話で全員に伝える。
『無茶だ!優輝も司もやられたというのに、奏、君一人では……!』
「『でも、誰かがやらないとその分犠牲が増えるだけ』」
〈Attack Skill〉
―――“Fortissimo”
―――“弓技・螺旋-真髄-”
ギィイイイン!!
クロノの念話に奏はそう答え、同時にアタックスキルを放つ。
ハンドソニックの刃から放たれる砲撃で、飛んできた矢を何とか相殺する。
躱す事は可能だったが、未だに射線上に神夜とヴィータがいたため、こうして相殺する事にしたのだ。
『……今回だけは、無理をしてでも死ぬなよ』
「『わかっているわ。……でも、その言葉は守れないかもしれない』」
そう念話を締め括り、奏は駆ける速度を上げる。
「(優輝さんも、司さんも負けた。神降しもジュエルシードも使えない私では、火力どころか全てが足りない。……でも、やるしかない)」
怖くない訳ではない。
当然、奏にも死の恐怖があり、自分よりも強い二人がやられた絶望感はある。
「(……大丈夫。前世と比べれば、まだ“希望”は残っている……!)」
それでも、奏にとっては、前世の病気でどうにもならなかった時と比べれば、力もあり、まだ“希望”も残っていた。
……絶望に呑まれるには、まだ早い。
「(覚悟を決め、精神を研ぎ澄ます。一手一手が必殺の一撃。決して当たってはいけない。……決して、捉えられてはいけない……!)」
次々と矢が飛んでくる。
それを奏は躱しながら、距離を詰めていく。
他の皆に対する流れ弾はもう気にする余裕はない。
そもそも、奏が矢を躱せるのは、それだけ距離が開いているということ。
距離が詰まれば、奏も躱せなくなる。
だから、そうなる前に奏
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