第5章:幽世と魔導師
第160話「見えない打開策」
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てしまえば、それこそ幽世と現世の均衡は完全に崩壊する。霊力に惹かれていると言われればそれまでだが……」
『………』
「……いや、今は置いておこう。今重要なのは、守護者をどうするかだね」
呪属性の霊術で妖を一掃し、一度態勢を立て直す。
そして、危険を考慮した上で自身が守護者と戦おうとして……。
「……どうやら、相手をしてくれるみたいだね」
『はい。ですが、あれは……』
「力はあっても、感情に流されているね。あれじゃあ、いくら強くても勝てないね」
神夜が守護者に突撃していったのを、気配で感じ取った。
尤も、あっさりと勝てないと判断されたが。
「……賭けてみようかねぇ……」
『姉さん……?』
「葉月、あたしはこのまま妖の足止めを続けるよ。守護者の……とこよの相手はあいつらに任せる」
『しかし……!』
まさかの人任せにするという紫陽に、葉月は食い下がる。
死ぬのが怖くない訳ではないが、なぜ人任せにするのかわからなかったからだ。
「……あたしは、あいつら魔導師について少し知っているのさ。……というより、聞かされてたって感じかねぇ。……緋雪の仲間だった奴らなんだから、少しは信じてみるのさ」
『姉さん……』
そう言って、紫陽は気配を感じる方向から目を背け、再び妖の足止めに戻った。
「がはっ!?」
そして、守護者がいる場所では。
司がやられた事に神夜が激昂して突撃し、あっさりと返り討ちにされていた。
神夜に“十二の試練”がなければ、既に死んでいた。
否、今ので一度死んでいた。命のストックがあるからこそ、助かったのだ。
「馬鹿野郎!無闇に突っ込んでも勝てねえぞ!」
「だけど、司がやられたってのに!」
「司がやられたからこそ突っ込むなって言ってんだろうが!」
追撃を食らう前に、ヴィータが神夜を連れて上空へ逃げる。
その際に、ヴィータが魔力弾を、シグナムが矢を打ち込む事で目晦ましをしていた。
「くそっ……!」
「(とは言ったものの、逃げ切れる訳でもねぇ。というか、あたしたちが逃げれる状況にない。ここにいるって事は、司どころか、あいつもやられたってことだろ?……一体、どうすりゃいいってんだよ!)」
神夜が冷静じゃなくなっているからこそ、ヴィータは冷静に思考する。
だが、危機的状況をどうにかする方法が思い浮かばない。
「(遠距離か、近距離、どっちが弱い?いや、そもそも何人がかりなら敵うんだ?)」
戦力を分析しようとして、力の差が圧倒的な事しかわからないヴィータは焦る。
さらにそこへ、思考を中断させるように、矢が飛んできて
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