暁 〜小説投稿サイト〜
とある3年4組の卑怯者
150 下克上
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
るだろうし、黄花も関東大会で自分より評価が高かった美葡にここで今度こそ彼女に勝つという気持ちがあるのだから。
 アナウンス係が吉岡の番を告げた。
『新潟県中之島小学校、吉岡肇君、中部大会銅賞』
 吉岡が演技を始めた。ステップシークエンスを始め、序盤で見せるトリプルルッツを披露した。そして今度はダブルフリップ、ダブルトウループ、そして足換えのシットスピンを行った。藤木は中部大会の時の吉岡とは異なっていることに気付いた。吉岡は以前はジャンプ不足で最初のトリプルルッツがシングルになってしまうという失敗を犯していた。しかし、今度は成功させたのだ。そして次にダブルループ、シングルサルコウを見せ、コンビネーションスピンは12回転だった。
(よし、後半だ!)
 そしてフライングキャメルスピン。これは10回転で決めた。後半にはトリプルフリップ、トリプルアクセルにフライングシットスピンそしてトリのトリプルルッツ。
(どうか、失敗するなよ!)
 吉岡は三回転を跳んだ。しかし、バランスを崩しそうになった。だが転ばなかった。何とか上手くできたと吉岡は実感していた。吉岡が滑り終わり、吉岡の得点が出るのを待つだけだった。今現在で最高得点は北海道の銅賞者の107.15だった。得点が出される。吉岡の得点は109.92だった。前の三人よりも高い。

 そして、近畿大会の銅賞者、中国大会の銅賞者、東北大会の銅賞者、そして四国大会の銅賞者の番が続いたが、吉岡の得点を超える者はいなかった。
(流石吉岡君。下剋上したい気持ちはわかるけど僕だって高得点獲る自信はあるんだ!!)
 藤木には吉岡の気持ちが伝わっていた。そして銀賞者の番が訪れた。
 九州大会の銀賞者が滑る。しかし、トリプルアクセルで転倒した事が致命的になり、吉岡の得点より下回った。次に中部大会の銀賞者、佐野の出番となった。
『富山県安塚小学校、佐野武政君、中部大会銀賞』
(よし、絶対に今の吉岡よりももっと高い得点を出す!!藤木が届かないような点をつけてやるぞ!!)
 佐野が滑り出す。まずはダブルトウループとダブルループの連続を披露した。そして足換えのコンビネーションスピンを決めた。レベル4に判定されると藤木はモニターから見て感じた。そしてトリプルサルコウ。これも上手く決まった。次にトリプルルッツにレイバックスピン。しかし、まだ佐野は自信の武器・高速シットスピンを見せなかった。そしてダブルループにトリプルフリップ。そしてステップシークエンスして、遂にその必殺技を見せた。列車の車輪のような速さでスピンした。規定の6回はもちろん、その倍の12回転を決めた。
(佐野君、す、凄い・・・!!)
 藤木は佐野の演技が自分以上の出来のように思えた。そして佐野は締めのトリプルアクセルを出そうとした。これを決めればかなりの高評
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ