「それなら自信があります」
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そこには、降参するプレイヤーキラーの姿があった。
そうして『少しは抵抗するんだな』などと言いたくなる衝動に駆られながら、お預かりしたプレイヤーキラーの片手剣を返却しつつ、降参を受け入れてショウキたちは転移門まで戻ってきていた。こっちは自前の武器すら使ってないって意味をよく考えろ――などと脅した甲斐もあってか、特に戦力を整えての逆襲もないのは幸いだった……ストレージは鉱石でいっぱいで、自前の武器など持っていないというのが実情だったが。
それからは鉱石をリズの元に届け、リズの作業を手伝ったり、またもや素材の回収作業に赴いたりなどとしていれば、一日かけて遂に三店の開店準備が整った。ただしまだ終わりではなく、三店になって明日には営業を再会することを告知と配布をして、《イグドラシル・シティ》から今後の活動拠点に荷物を移し、ようやく準備が完了する。
「おっつかれさまー!」
アインクラッド第二十二層《コラル》。湖と森林で構成された、郊外にキリトたちの家が建つ牧歌的で平和な層だ。そこにはスリーピング・ナイツの一件の際に、アインクラッドでの活動拠点として使うために買った、出張・リズベット武具店があった。エギルの《ダイシー・カフェ》が併設されたそこを、今後は本店として活動拠点とする予定だったからだ。
「リズ。これは……まさか……」
「そ。プレミア、あんたの部屋よ」
活動拠点とするにあたって住居として簡単なログハウスを購入しており、出迎えてくれたリズが簡単に家の説明をしていると、プレミアがある部屋の前でわなわなと震えだした。今までは宿屋の一室を間借りしていたが、今度は正真正銘にプレミアの部屋だとリズが宣言すれば、プレミアは我慢できずにその部屋の扉を開けていく。
「ありがとうございます。リズ、感激です」
「そんな喜ばれるほどのものじゃないわよ」
とはいえ中は、そんなプレミアの感動とは裏腹に何の変哲もないものだったが。それでもプレミアは、大好きな玩具を買ってもらった子供のように、何でもない部屋を眺めていた……何の設定もされていなかったプレミアには、真の意味で自分専用の場所など今まで持ったことがなかったのだろう。
「なあ、リズ」
「んー?」
「よかったのか?」
プレミアが自らの部屋という始めての存在に心を踊らせている間に、ショウキはリズにそう曖昧に問いかけた。とはいえリズには意味が伝わったらしく、答えにくそうに考え込んでいく。
もちろんその問いの意味は、こうして引っ越してきてよかったのか、ということである。
「まあ、あたしたちだけじゃ限界だったのは確かだしね。二人だけで店を繁盛させていくだなんて無理な話だったのよ」
SAOの時も、正直に言うとアスナと血盟騎士団ってお
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