「それなら自信があります」
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は出来ないだろう。むしろレプラコーンがよく利用する鉱脈の近くで待ち伏せしているのだから、相手のシルフたちは生産系プレイヤー狙いだろう。
「プレミア。森とか近くにないか?」
「あそこなどいかがでしょう」
「よし……プレミア。ちょっと聞いてくれ」
ただし相手がどんな連中か分かれば、少しは対策のしようもある。プレミアとともに手頃な森を探して、そちらに急降下して木々の中に身体を潜ませる。ただしそのまま隠れるわけではなく、むしろ森の中でも開けた見やすい位置に、鉱石を満載した袋を持って白旗でも挙げるようにして立ち尽くした。ただしそこにはプレミアはおらず、ショウキからは見えない木々の上に待機してもらっている。
防具も未だに初期装備の生産系プレイヤーが、白旗でも挙げていたらプレイヤーキラーたちはどうするか。
「なんだよ、降参かよ」
その答えはただ一つ、白けてしまうのみだ。ショウキが突如として森の中に入ったために、逃げられたかと慌てて森の中に入ってきていたプレイヤーキラーたち三人は、降参するショウキの姿を見てため息まじりに正面に現れた。わざわざ気配を晒しながら追い詰めるのを楽しむ手合いならば、次はどうするかと問われれば。
「鉱石はやるから、PKだけは勘弁してくれないか?」
「ダメだね。鉱石なんかついでだからよ、少しは抵抗するんだな!」
もちろん降参した根性なしを囲んで叩き、哀れな抵抗とネズミの反撃を楽しむのだろう。ショウキがろくに抵抗しないと決めつけて、油断たっぷりに動くプレイヤーキラーたちの背後に、木々の上からプレミアが降り立って。
「あ!?」
「やあっ!」
《閃光》仕込みの細剣術が、高速飛行のために軽量化されているプレイヤーキラーの鎧に襲いかかり、その無防備な背中はただ貫かれるのみだった。突如として仲間が奇襲されるという異常事態に、動揺から硬直してしまう残るプレイヤーキラーたちの隙をつき、ショウキも疾走とともにシルフが持っていた片手剣を強奪する。
「テメッ……返っ……!」
自らの得物を奪われたシルフはそれ故に冷静さを取り戻すものの、もはや手遅れとしか言いようがなく。武器を失って丸腰となったために抵抗すら出来ずに、ショウキに向けて反射的に出した手が、自らの得物によって断ち切られることとなって。
「……いい剣だな」
続く第二撃は身体の中心を穿ち、シルフのプレイヤーキラーは鍛冶妖精から武器の賛辞を送られるとともに、ポリゴン片と化してこの世界から消失した。プレミアも背後から奇襲からの連撃で軽装戦士とはいえ倒せたらしく、アスナ仕込みの細剣術に改めて恐怖しながら、プレミアとともに残るプレイヤーキラーの一人に剣を向ければ。
「ショウキ、どうしましょう」
……
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