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SAO−銀ノ月−
「それなら自信があります」
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『レインちゃんのVR探訪ー!』

 本名を枳殻虹架、というアイドルの最近の活動として、様々なVR世界を実況して巡る配信番組があった。アイドルらしからぬコアな話題も込めた実況や攻略――そして一部からはソロ故の限界からのやられシーン――が人気な配信で、最近は人気番組と言っても差し支えないものとなっていた。

『ご主人様たちのメイド、レインちゃん! 今日はみんな大好き《ALO》にお邪魔してますぞ?』

 何故か現実の枳殻虹架とほとんど同じ外見をしたアバター、レインとして来ていたのは、VRゲームの代名詞とも言える人気ゲーム妖精の国《アルヴヘイム・オンライン》。メイド服を着こなし颯爽と飛翔し、撮影用のカメラに向かって手を振るその姿は、確かに妖精のようであった。

『今日、ここにお邪魔した理由はもちろん話題のコレ!』

 そうしてレインの眼下に見えるのは、城塞のような集落。そこの入口に着地すると、鐘の音ともに内部へと招かれる。集落の内部にいるのはプレイヤーではなく、エルフと呼ばれるNPCたちであり、メイド服は流石に珍妙だったのか周辺のエルフたちがレインを二度見する。ただしエルフたちだけということはなく、中には数人のプレイヤーたちもおり、視聴者なのかレインに熱い声援を送っていた。

『ありがとー! ……さて、最近のALOといえば、やっぱりこのエルフたちとの共闘だよね!』

 ――先日、情報屋《鼠》の名の元にALOに突如として放たれた情報が、このエルフたちとの共同戦線の知らせだった。そもそも存在が知られていなかった、エルフという存在からのいきなりの申し出だったが、各領主の働きによって幾分かは軽減された。

 内容は単純。エルフやこの浮遊城を脅かす《呪い》に対して、前線基地を築いたエルフと共闘するというもの。その《呪い》は浮遊城に幾つものダンジョンとして存在しており、それら全てにエルフは前線基地を築いており、最近は妖精というよりもエルフになってしまったプレイヤーも多く。難易度も様々な新ダンジョンということもあり、もはや第二段グランドクエストといっても差し支えない状態だった。

『それじゃあレインちゃんも攻略に参加してくるので、残念だけどネタバレNGなご主人様はここでおさらばですぞ? ……あ、だけどその前に』

 ちょっと待っててね――という言葉とともに、レインは入口近くに設えられたテントへと入っていき、『使用中』との看板を置く。とはいえ次の瞬間には、すぐさまレインはテントの中から現れたが、格好がメイド服からエルフたちの騎士団のものへと変わっていた。

『クエストを何度もこなすと、報酬として《呪い》に特攻効果を持った、この騎士団服を貰えちゃうよー……これはレプリカだけど。わわっ!?』

 レプリカとはいえ外見はそのままだ。クルリと
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