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レーヴァティン
第五十六話 ミラノの街その三
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「私には無理よ」
「俺もだよ、まあとにかくな」
「馬具もあるし」
「乗っていってな」
「慣れることね」
「馬はな。俺だってここに来たての時なんてな」
 英雄と二人でこの島を歩き回っていた時のことを思い出した、この時の彼は最初の時は馬すらなく歩いて移動していた。
「もうな」
「歩いてばかりで」
「馬に乗るなんてな」
 こう話すのだった。
「考えてもいなかったしいざ乗るとな」
「落馬していたとか言っていたわね」
「痛い思いもしたぜ、首の骨は折らなかったけれどな」
 そこまでの怪我は負っていなかったのだ。
「それでもな」
「大変だったのね」
「ああ、あんたは一度も落馬してないだろ」
「その分だけっていうの」
「俺よりずっとセンスあるぜ」
 乗馬のそれがというのだ。
「今だってわかってきた感じだしな」
「だからなのね」
「ああ、自信持っていいぜ」
 久志は笑って清音に話した。
「乗馬もな、最初はどうかって思ったけれどな」
「今まで乗っているのを見たら」
「いい感じだよ、じゃあな」
「ええ、馬に乗ったままね」
「ミラノに行こうな」
「それではね」 
 清音は今は笑って久志に応えた、そうしてだった。
 一行はミラノへの道を馬でさらに進んでいった、そうして遂に城壁に囲まれた街の前まで来た。その城壁を見て久志は笑ってこんなことを言った。
「こうした壁を見るとな」
「街に来たってだよな」
「思える様になってきたな」
「こっちの島じゃ街は絶対にだからな」
「ああ、城壁に囲まれてるからな」
「それでだよな」
「街に来たって思える様になったぜ」
 城壁、それを見ればというのだ。
「これは絶対だからな」
「ない街もないな」
 正もこう言う。
「それこそ」
「村も柵に囲われてるしな」
「そうして守っているってことだ」
「そうだよな、街も村も」
「それで街はだ」
 この島の街もというのだ。
「高い城壁に囲まれている」
「そうだよな」
「賊やモンスター、侵略者から守る為にな」
「巨人からもな」
「ああ、巨人が一番厄介だな」 
 正は顔を顰めさせて常に急に出て来て何もかもを壊していく彼等のことについても言及した。この島でも東の島でも最大の脅威になっている。
「本当にな」
「そうだな、あいつ等が出たらな」
「巨人の種類によるけれどな」
「この城壁もな」
 ミラノの城壁は高くその質もいい、かなり堅固なのは明らかだ。このことにもミラノの豊かさが出ていると言うべきか。
「でかい巨人が出るとな」
「あっという間に壊されるな」
「本当にな」
「巨人は本当にこの世界最大の脅威だな」
「災害みたいな連中だからな」
「何なんだあいつ等は」 
 芳直も巨人達については首を傾げさせ
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