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マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第58話(改2.0)<生命の輝き>
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んも、そうなのか。

「いや良いよ。お前も、いろいろ無理させていると思うし」
私は応えた。

すると青葉さんが反応する。
「司令!」

「うわっ」
急に声の調子が変わったぞ。

「お願い……何も言わないで下さい」
急に声を下げてボソボソと言う彼女。

(気のせいだろうか)
背中で青葉さんが(むせ)び泣いているような。

(いつも人を煙に巻くような言動が多い青葉さんも普通の女の子なんだ)
何故か、安心した。

提督という位置は、いろんな物が見える。だから多くの人(艦娘)の中心に立って命令するだけでなく時には受け止めることも必要だ。
それはまるで荒野に直立するスタンディング・ストーン(礎石)だ。

組織の要として、惑わず、国家存亡を賭けて戦うんだ。だから言葉が少なくても、そこに居るだけでも良い。そう感じていた。

 数分くらいだろうか? しばらく背中でジッとしていた青葉さん。やがて、そっと背中を離れて背後でハンケチで顔を拭っていた。

「失礼しました司令! 充電完了です」
青葉さんは餌飼いになると改めて敬礼した。

それは、いつもの悪戯っぽい表情ではなく普通の少女のような素朴さを感じる表情だ。

「良かったな」
「はい! 司令、私も一蓮托生でガンバリますから」
「バカめ」
「へへっ」
舌を出した青葉さん。その反応に、ふと寛代を連想した。

(また壁が一つ消えて、こういう会話が出来るようなったんだな)
そんな印象を受けた。

「おーい!」
大声で海辺に向かって手を振る青葉さん。

そして急に言った。
「私も水浴びしてきます! これ、よろしくぅ」

彼女はカメラバックを私に押し付けて走り出した。
「お……」

まさに、有無を言わさない。でも、それは信頼の証か。
向こうの艦娘たちも手を振っていた。青葉さんは合流して一緒に戯れている。

「そうだな。生きてるからこそ泣きもするし、笑うこともあるよな」
傾いた夕日を反射させた海がキラキラと眩しく見えた。それは艦娘たちの生命の輝きを象徴しているようにも感じられるのだった。




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