EX回:第58話(改2.0)<生命の輝き>
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に話題を変えてきてビックリした。
「美保の皆さんが来なければ、あり得ないことですね」
ニコニコしている伊勢。
(大丈夫か?)
私は彼女の感情の起伏に心配になってきた。
「伊勢。ちょっとハイになってないか?」
私の顔色を察した日向が、やんわりとセーブする。
「あ、ごめんなさい。調子に乗ってたね、私」
妹の意図は直ぐに察するんだな。さすが姉。
そんな伊勢の肩に手を置きながら日向が言った。
「では司令、もうしばらく伊勢と散策をしてから定時までには戻ります」
「分かった」
「はい、失礼します!」
ちょっとワザとらしく伊勢が私に敬礼する。
私も、ちょっと微笑みながら敬礼を返した。
傾いた夕日を浴びた二人は、砂浜を並んで歩いて行く。それを眺める私と青葉さん。建造の時期は違うとはいえ、さすが姉妹艦。並んで歩くと、やはり様になる。この2人は、とても良いペアに成りそうだ。
伊勢のオリジナルは、あまりよく知らないが試作型艦娘も意外に良い娘だな。
ただ残念なのは、この伊勢も「不完全レシピ」の申し子。その寿命が、いつまでなのか分からないことが不憫だ。
「はあ」
思わず、ため息が出てしまった。
「シ・レ・イ!」
急に改まった言い方をしてくる青葉さん。
「なんだよ、急に」
「もしかして、もしかして……泣いてません? えぇ」
勿体ぶった言い方をする。
「ば、ばかを言うな!」
(あれ?)
変だ。否定したとたん涙が出て来そうになる。焦る。
「泣く訳ない……」
そう言いながら私は慌ててハンケチでごまかす。
そんな私を見て一瞬フフンと鼻で笑ったような青葉さんだった。
だが急に周りを確認するような素振りをする。
「……?」
水辺にいる金剛姉妹や龍田さんが、こちらを見ていないことをチェックしたようだ。
そう思ったら青葉さんは急に私の背中に回って頭を押し付けてきた……。
(何をするんだ?)
彼女の意図を図りかねる私。
青葉さん、その姿勢のまま、語り始めた。
「別に良いんですよ司令。本当は……泣きたいのは私。済みません、ちょっとだけ背中お借りします」
「ああ……」
彼女は積極的で、精神的にもタフだから涙なんか見せないと思っていた。この行動は意外だ。
「変でしょ? 私」
「……」
搾り出すように続ける青葉さん。
「いろんな現場で見聞きしていると不意に胸が一杯になるんです。いえ、以前は、こんなこと無かったんです」
「……」
「もう誰にも見せたくないのに、すごく、すごく泣きたくなるんです。済みません司令」
(やっぱり何年も艦娘として生きてると感情みたいなものが成長するってのか……)
伊勢姉妹にも、それは感じた。青葉さ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ