ダン梨・G
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とベート氏に背負われてる。ベルと甘酸っぱい空気を醸し出して会話するアイズ何某の方に苛々オーラ全開で。
しかしあっちはキャピキャピしてんなぁ。好奇心なティオナと嫉妬のレフィーヤも加わってハーレム的な。対してこっちにいんの完熟トマトの人だぜ。何が楽しくて完熟トマトの男のツンデレ性格ひねくれ男と一緒にいなきゃならんのだ。
ま、嫉妬してる訳じゃないが。今回のこれで俺もパワーアップしてる筈だし。
と――不意に横から視線を感じてそっちを向くと、何故かリヴェリアさんがこっち見てた。うーん、アニメや小説ではイマイチ伝わらなかったが……成程これはすさまじい美人さんだ。
「お前、名前はバミューダと言ったか」
「どうも、ナインヘルさん。青臭いまま出荷されるトマト2号になにか?」
「いやなに、面白い魔法を使うものだと思ってな。どういう仕組みだ、あれは?」
「情報料金128万7700ヴァリスなり」
「何故半端な……というより払ったら教えるのか?」
「教えますよ?ギルド仲介で契約書書いてね」
「そうか、考えておこう」
別にリヴェリアさんなら悪用しないだろうし売っぱらっても問題ないが、この人がその為だけに130万ヴァリス近い金をぶちこむとは俺には思えない。まぁ、つまり安売りする気はないから諦めろという話でしかない。その辺察してるんだろうなぁ、この人。
「まぁそれはそれとして、ミノタウロスの斧に自ら突っ込むこと然り、自分の魔法を自爆覚悟で発動させたこと然り、命知らずにも程がある。冒険者が命懸けなことなど百も承知だろうが、親に貰った体を大切にしろ」
「親なんているかなぁ、俺に」
それは、本当に素朴な疑問だった。
俺という存在は、この世界において前後関係も因果関係もなく、ただガキとしてぽんと出たのだ。人間なら確かに生んだ親はいるのだと思うだろうが、俺は――どこからともなく魂だけこの世界に来た俺には、そんな親さえいないんじゃないかと思える。
俺の腹にはへそがある。へそはへその緒で親と繋がっていた名残だ。しかし、このへそが単に「人間は普通そうだから作った」ものならば――形だけの飾りでしかないならば――俺に肉親など、いない。それでも別に寂しさとかはないけど。
「………いるさ、どこかに。人はそうして生まれるものだから」
俺の言葉に一瞬だけ悲しそうな顔をしたリヴェリアさんは、どこか慈愛を感じる口調でそう言った。
しまった、これ変な気を遣わせてしまったパターンだ。そう思ったときには、いつの間にかロキ・ファミリアの他メンバーが俺の周囲に集まっていた。
「天涯孤独の身だからって自分の命が軽いなんて思っちゃいけないよ、バミューダくん」
「そうそう。それにファミリアのメンバーだって神の血で繋がった家族なんだから」
「あれ
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