ダン梨・G
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に身を翻して再度反対方向で合流する。
「成功すればいいが、失敗すると切り札が潰れるだけでなく魔法の特性がバレて警戒される。仮にそれで突破口が開けたとして、開いた隙間が更に小さくなる。一長一短だな」
「そこはそれ、バミューダが上手いこと考えればいいでしょ?」
「気軽に言ってくれやがって。んー………」
原作を思い出す。確か最終的なトドメとしてはベルがヘスティア・ナイフを突き刺し、そこから直接中にファイアボルトを流し込むというエグイ殺害方法だった。威力だけなら同レベルある筈の二尺玉でも傷口に無理やり抉り込めば殺害は可能だろう。
しかし、それが出来れば苦労はしないから今こうして苦戦している。
考えろ、考えろ。
二尺玉であれを確実に殺すには体内で爆発させるのがベストだが、傷口を作っている暇がない以上は口に捻じ込むしかない。魔物の本体は魔石なので一撃では倒せないかもしれないが、顔がなければまともに動けないのだから後はベルの仕事だ。
口に捻じ込むのに最大の障害は?当然あの巨体の能力だ。特に斧のリーチと殺傷能力は最大の脅威だ。しかし待てよ、あの斧は原作だと途中でベルが使ったものの砕けた。つまり、案外と耐久力はそこまででもないのかもしれない。あれを壊す方法――原作ではベルが限界突破で腕を刺して奪ったが、今はそれが厳しい。出来ない可能性もある。ならば物理的に破壊するしかない。
武器としての強度は特別強くないのなら、武器破壊を狙うしかない。見込みがあるのはヘスティアナイフと――イーラナーはもうないので、スリケンチャクラム。あれは例の忍者おじさんが研いでくれるので刀に限りなく違い切れ味を誇っている。その分だけ特定方向からの圧力であっさり折れるため今まで使えていなかったのだが、角度さえ合えば――。
「剣の突入角に対してぴったり90度………」
パズルが噛み合う。
俺はベルに何も言わずにウェポンホイールを回してチャクラムを両手に握った。
武器のないミノタウロスなら、骨格は人体と同じ。あとは俺の敏速と器用値を当てにするしかあるまい。ベルのそれすら上回る、俺の数少ない武器を。
パズルが組みあがる。
囮が必要だ。ベルが囮になった後、俺も囮になる。
あとは何だ。玉の強度、魔法――整いました、ってか。かなり馬鹿だな。
「ベル、いいか。まず俺が――、――」
「うん、うん」
「――、――そして最後に、お前が――だ」
「バミューダ史上最大のドッキリ大作戦だね。いいよ、乗った」
「勝ったら豊穣の女主人で祝杯だ」
「勝つさ、僕とバミューダなら!」
準備は、整った。少々の準備を終えた俺たちは、すぐさま決戦へと挑んだ。
まずは俺が全神経、全筋力を注ぎ込んでミノタウロスと相対する。
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