ペルソナ3
2059話
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その言葉は正しい。
実際、タカヤがカルト宗教を組織しているのも、タカヤの破滅願望とペルソナ使いとしての能力、そしてシャドウや影時間といったものが組み合わさって出来た、負のカリスマとでも呼ぶべきものの為だ。
だから、今月末の戦いで俺がニュクスを殺して影時間やシャドウという存在を消去してしまえば、タカヤはペルソナ使いでも何でもない、どこにでもいるただの人間になる。
だが……
「もし今月末のニュクスとの戦いで、タカヤやジンがちょっかいを出してくれば、厄介な事になる。なら、その前に対処しておく方が良くはないか?」
「……少し考えさせて欲しい。後でお父様に相談してみる」
結局、その場ではそういう事になるのだった。
ラーメン屋で真田に奢って貰ってから、数日……授業が終わり、ゆかりは今日は部活だという事で、帰ろうとしたのだが……
「アクセル」
教室の中に響いた声に視線を向けると、そこにいたのは美鶴だった。
それが美鶴だと知ると、当然のようにクラスの中がざわめく。
「美鶴? どうした?」
そして、俺が美鶴を呼び捨てにした事でも、再びクラスがざわついた。
いや、そのくらいの事でざわつくなよと思わないでもないが、それも仕方がないのだろう。
俺が美鶴と付き合っているというのは、それなりに話は広がっているし、実際に美鶴のファンクラブの会員と思われる者から嫉妬の視線を向けられる事も多かった。
だが、美鶴がこのクラスまでやって来たのは、初めてだったのだから。
せめてもの救いは、既に授業が終わってからある程度時間が経っている事もあって、教室に残っている者は少なかった事か。
もっとも、間違いなく今日中に……場合によっては1時間も経たないうちに、この件は広まるだろうが。
ともあれ、美鶴と付き合うと決めた以上は、そんなのを気にしても意味はない。
「うむ。少し時間を作って欲しい」
「……今すぐに、か?」
念の為にと尋ねるが、戻ってきたのは頷き。
特に今日は何か用事がある訳でもなかったので、俺は素直に美鶴の言葉に従うのだった。
「すまないな、わざわざ来て貰って」
美鶴に案内されたのは、月光館学園の理事長室。
ただし、そこには幾月の後を継いで理事長になった者の姿はなく、そこにいたのは武治だった。
「いや、この学校は桐条グループの傘下なんだし、それは構わないが……桐条グループの総帥が、よくここに来るだけの時間があったな」
桐条グループというのは、このペルソナ世界でも有数の企業グループだ。
それを率いてる立場にいる武治は、それこそ分単位、秒単位でスケジュールが決まっていてもおかしくはない。
そんな武治がこの場にいるという
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