猫娘と明かされる秘密編
NO.047 かっちゃんとの話+α。
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リカバリーガールでもお手上げだったらしくて……だけどね。その時にフォウが自らを犠牲にして僕を生かしてくれたんだ」
「どうやってだ……?」
「その説明をするのにはフォウの過去も話さないといけないんだけど、しっかり聞いてね? あと、他言無用で頼みたいの……この事を知っているのはオールマイトに相澤先生、根津校長にリカバリーガールだけだから」
そして出久は一つ一つ丁寧にフォウの事を説明していく。
フォウの原点から、人生の歩み、縛られてしまった人生の重み、出久と出会うまでの短い自由、そして己の全てを捧げて出久を助けたが、己の呪いまで受け継がせてしまった事……。
全部を話し終えて出久は爆豪へと視線を向けるとそこには茫然としている爆豪の姿があった。
当然であった。
まだ15歳の出久が背負うには重すぎる運命。
「……これが僕とフォウの全部……だから僕はフォウの償いの手伝いをするために必ずヒーローになろうと思っているんだ」
「…………けるな」
「え? かっちゃん?」
「ふざけるな!! そんな重荷をてめぇが背負う必要がどこにあんだよ!? それじゃなにか!? デク、てめぇは俺……いや、それだけじゃねぇ! てめぇの母親、それにクラスの連中も置き去りにしていくつもりかよ!?」
「か、かっちゃん……怒らないで……しょうがなかったんだよ。フォウは僕を助ける一心で力の暴走まで把握できなかったんだから……」
「だとしてもだ!! それになんでてめぇはもう平然と受け入れとるんじゃ!? もっと悲観的になってもいいもんだろうがよ!!」
「そ、それは……」
出久はもう爆豪に反論できる言葉が出てこなかった。
フォウの過去を追体験した事によって精神的に大人になったとはいえ、それでもまだ学生の年齢なのだ。
「俺の……俺の気持ちまで置き去りにするつもりかよ!? 俺は……お前が傷つく光景をもう見たくねぇんだよ!! だからてめぇは無個性のままで良かったんだ! そうすりゃ俺も気楽でいられた! 何の迷いも抱かずにヒーローを目指せた!! なのにてめぇは雄英までのこのこと来ちまった……訳わかんなかった……」
「かっちゃん……」
掛ける言葉が見つからずにただ沈黙だけが場を支配した。
息苦しい空気で、それでもなんとか出久は口を開いて、
「…………僕の『与える』個性ね。オールマイト達と話し合った結果、表向きは『他人を治癒できる』個性として登録してもらうつもりなんだ……。だから、もしかっちゃん達が傷を負ったら僕に相談して? すぐに治してあげるから!」
「言いたい事はそれだけかよ……?」
「うん……いつ生命力のストックが終わるか分からないけど、僕もみんなと同じ時間を生きていきたい……だから、お願い……」
出久なりの必死の懇願であった。
“みんなと同じ時間
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