第17話。変人の夏休み。後編。
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が外れるんだ。
「・・・・キリツグのバカっ。」
「ぐはっ!!」
姉ちゃんのつぶやきは親父の急所を抉ったようだ。(※下ネタじゃないよっ!)
帰りの車の中でも親父が会話に参加しようとすると、弁当の話をし始め、親父にしゃべらせない姉ちゃん。
家につくまで終始無言の親父。今度遊園地に連れていくことで許してもらったとのこと。
まぁ、今回は親父のせいだしな。せいぜい姉ちゃんのご機嫌を取ってくるんだな。
夏休みも終わりにさしかかった8月下旬。シロちゃんの全国大会の日である。
今年は隣県で行うため、みんなで応援に出かけようと思っていたのだが・・・・
「38度9分か、結構高いのぅ。」
「ううっ。今日は士郎の大一番なのに・・・・」
親父が風邪でダウン。仕方がないので舞弥姉ちゃんも家で看病することに。
「全く、肝心な時に風邪なんか引いて!」
姉ちゃんはご立腹のご様子。
「まぁ、風邪引いちまったもんはしゃーないわ。しっかり休むんやで。」
「う〜〜ん。僕の分も応援よろしくね。」
「おう。まかせ。」
電車を乗り継ぎ、競技場に向かうのだが、朝のどたばたのせいで微妙に間に合わんかもしれない。
「ううぅ〜〜〜速く動いてよ!!」
「いや、電車が速くなったら怖いやろ。」
脱線してしまうっての。
何とか開始前には着いたものの、もう競技者のコールが始まっていた。
「シローーーーー!!頑張ってーー!!」
姉ちゃんの声援が届いたのかシロちゃんは会場を見渡す。
何とか見つけられたらしく、目線があったので二人で目一杯手を振る。
コールが終わり、スタートブロックの調整をする競技者達。声援が続くが、準備が終わる者が増えるに従って、静まり返る。
そして、全員が終え、スターターがピストルを構えた時には競技場の外の音しか聞こえなくなった。
「よーい・・・・」
例の如く、独特の緊張感の中でスタートを待つ・・・・
バン!バン!!2発の銃声で会場からは感嘆の声が響く。
「え?え?どうしたの??」
「フライングじゃよ。シロちゃん緊張してるわ。」
俺の目はしっかりシロちゃんのフライングを捉えていた。これで固くならなければいいんだけど・・・・
気を取り直しての再スタート。再びスタートを待つ緊張感に触れる。
「よーい。」
バン!!と言うピストルの音で一斉にスタート・・だが
「シロちゃん出遅れたな。」
「何やってるのよシローーーー!!」
スタートで完璧に出遅れて勝てるほどの『のび』をシロちゃんはもってないからな。
残念だが、始めての全国は参加
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