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麗しのヴァンパイア
第三十七話

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第三十七話  クラウンの活動
 その日の練習を終えてだ、華奈子は家に帰ってから美奈子に言った。
「何か久し振りにやるとね」
「面白かったわね」
「というか何か最近ね」
「バンドの活動はね」
「忘れてたわね」
 どうにもと言うのだった。
「正直なところ」
「色々やることが多くて」
「そうそう、魔法のことに学校のことにね」
「天本博士のこともあったし」
「お勉強のこともあって」
「バンドのことまではね」
「何か気が回らなくて」
 それでというのだ。
「忘れてたわね」
「ええ、忘れたらいけないのに」
「他にやること多いと」
 どうしてもというのだ。
「忘れちゃうのね」
「ええ、大切なことでも」
「あたしも忘れてたし」
「私もだったわ」
 美奈子もというのだ。
「クラウンのことはね」
「最近は」
「そう、忘れていてね」
「久し振りに思い出したのね」
「そうだったわ、フルート自体は続けていたけれど」
 それでもというのだ。
「バンドは忘れていたわ」
「七人共だったみたいね」
「ええ、けれどね」
「思い出したらね」
「それがきっかけだから」
 それもいいきっかけだというのだ。
「それじゃあ」
「また時間を見付けてね」
「皆で楽しみましょう」 
 バンド活動自体をというのだ、そして華奈子は自分のサックスを奇麗に磨きだしてそのうえで美奈子に言った。
「サックスって磨けば磨く程ね」
「金色に光ってよね」
「いいからね」
「だからまた磨くのね」
「そうしてくわ」
 こう言ってだった、華奈子は美奈子も自分のフルートを磨いて銀色の輝きを増させていくのを見ていた。
 そうして二人でバンドの話をさらにしていった、華奈子にとっても美奈子にとってもバンドは非常にいいものだった。


第三十七話   完


                 2018・3・28
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