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ドリトル先生と和歌山の海と山
第九幕その十二

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「日本の仏教の違いは大きくてね」
「密教の中でもだね」
「真言宗と天台宗は違うんだ」
「細かいところが何かと」
「そうなってるのね」
「そうだよ、空海さんと最澄さんの違いもあってね」
 山を開いたそれぞれの人のです。
「またね」
「違うんだね」
「じゃあその違いもだね」
「先生は学んでるんだね」
「そうしてるのね」
「そうだよ、ただね」
 ここでまた言った先生でした。
「その違いを学ぶのもまた面白いんだよ」
「あれだよね」
 王子が言ってきました。
「比叡山の方が都にずっと近くて色々な文献や経典や修行する場所を整えていてだね」
「そう、学問をする場所としてね」
「凄く整ってたんだよね」
「だからあの山からは日本の歴史で多くの高僧が出ているんだ」
「そうだったね」
「高野山は空海さんがいるけれど」 
 それでもというのです。
「比叡山みたいに多くの歴史に残る高僧はね」
「出ていないんだ」
「そうなんだよ」
「これだけ立派な修行の場所なのに?」
「空海さんが凄過ぎてね」
 何しろ日本の歴史上最大の天才とも言われている人です。
「空海さんの教えを守る」
「そうした考えだったのかな」
「そうかもね、空海さんの影響が物凄くてね」
「そういえば今も生きておられるんだったね」
「そうしたお話もある位だからね」
 それでというのです。
「空海さんの影響が大き過ぎるんだろうね」
「成程ね」
「比叡山も最澄さんも凄い人で影響が強く残ったけれど」
「それでもなんだ」
「空海さん程じゃないし都に近いこともあってね」
「それで学問所として発展して」
「多くの高僧を生み出したんだろうね」
 そうだろうというのです。
「やっぱりね」
「成程ね」
「さて、それともう暗くなってきたし」 
 それでとです、またお話した先生でした。
「泊まる場所に入って」
「御飯だね」
「それだよね」
「その前にもう一つやることがあるよ」 
 皆に笑顔で言った先生でした、そうして皆で高野山の中の泊まる場所に向かう前にある場所に入るのでした。
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