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オズのトロット
第九幕その七

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 ここで、です。カリフ王はトロットに言いました。
「これは大人の味だからね」
「だからですか」
「そう、普通にね」
 こうした味はというのです。
「子供には合わないんだよ」
「大人には合う味なの」
「そうだよ」
「それじゃあ」
「そう、わし等だとね」
 大人ならというのです。
「美味しく飲めるよ」
「美味いよ」
 キャプテンはかなり美味しく飲んでいます。
「このお酒はね」
「凄く美味しいよ」
「僕もそう思うよ」
 教授とモジャボロも言います。
「このお酒は」
「かなりいけるよ」
「そうなのね、私達にしては」
 どうしてもと言うトロットでした。
「合わないけれど」
「お肉やナッツと一緒に飲むといいんだよ」
 それならというのです。
「それならね」
「それじゃあ」
 トロットは言われるままにバーベキューを食べてから飲んでみました、そのうえでお話することはといいますと。
「何かね」
「こうして飲んでみてもですね」
 ジョージはバーベキューを食べてからでした。
「あまり、ですね」
「合う感じしないですね」
 神宝もバーベキューを食べてから飲んでみました。
「どうにも」
「変わらない様な」
 ナターシャはナッツを食べています。
「そう思います」
「私もそう思います」
 恵梨香もナッツを食べてからでした。
「どうにも」
「何かですね」
 最後にカルロスが言いました。
「ワインとかに比べて合わないと思います」
「ワインも甘くないとね」
 トロットはノンアルコールのワインを食べて言いました。
「合わないし」
「ははは、子供は甘いのが好きだからね」
 それでと言ったカリフ王でした。
「そうなるかな」
「私達にはね」
 またお話したトロットでした。
「そうみたいね」
「それでいいしね」
「いいの?」
「わかる味とわからない味がある」
 笑って言うカリフ王でした。
「大人と子供で。そして人それぞれでね」
「そうした味があるから」
「いいんだよ、もっと言えば味の好き嫌いはあるね」
「ええ、他の人が美味しいと思うものでもね」
「食べられないものはあるね」
「私も最初は」
 トロットはここで恵梨香を見て言いました。
「お刺身は食べられなかったし」
「今じゃ平気だがね」 
 キャプテンがそのトロットに笑って応えました。
「トロットも」
「生もの自体がね、けれど今も食べられないものもあるし」
「そうだね」
「だからなのね」
「それはそれでいいのだよ」
 その黒いノームのお酒を飲みつつ陽気にお話するノーム王でした。
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