ダン梨・D
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記録ね」
「うわナニコレッ!?魔物のスケッチと魔石の大きさと出現個所とドロップ品、挙句行動パターンと安全な対処法までみっちり書き込んである!?」
「こっちのノートはプロさながらのマッピングがされてます!こ、高低差まで!?」
「流石バミューダ。ほんとテキトーに見えて勉強家だよねー。しかもその辺で売ってる冒険者用の指南書は絶対に買わずに手書きで作る辺りにケチケチ執念を感じるよ」
「聞いて驚け、指南書は立ち読みして中の情報だけ頂いてる」
「いつか本屋さんから出禁喰らうからその辺にしとこ、ね?」
まぁ本当の所は買いたいのだが、買ったら余計にホームが狭くなるので買えなかったりする。
しかし、それを言ったらホームの文句だ。雨風凌げるし、建築のめども引っ越しのめども立たない以上そこに文句をつけても意味はない。ただ、ヘスティアに無駄に心労をかけるだけだ。面白くないし意味もない。
俺はベルの意見に何も反論せず笑い、いつもの定番となった梨を切り分けるのだった。今日のはいつもと品種違うよ。
= =
『例のミノタウロスの調子はどう?』
『は、そろそろ投入できる頃合いかと』
『予定変更よ。『二人がかりで限界を超えて倒せる』程度に引き上げて頂戴』
『もしや、もう一人も参加させるのですか?』
『うふふ、だって手持ち無沙汰そうだったんだもの。それに新しい玩具を手に入れたみたいだし』
『御意。なれば少し急がねばなりませぬ故、失礼します』
『道化は踊ってこそ見世物になるものよ。舞台を用意してあげたのだから、精々必死に演じなさいな』
= =
「どぉぉおおおおおおおおッ!!」
「おわぁぁぁああああああッ!?」
地面を抉る斧の猛撃がブオンッ!!と振りかざされ、俺とベルが左右にそれぞれ横っ飛びしたその場所に叩きこまれる。地面は無数の罅割れとともに砕け散り、震える大気に若干煽られた俺はなんとか地面に着地した。俺より器用値の低いベルはバランスを取りそこなったか転がりながらの体勢の立て直しになった。
立ちはだかるミノタウロスは、嘗て俺とベルが追いかけられたのより一回りでかく、強く、そして何より存在感が違う。出鱈目に暴れまわるそれじゃない。明確にベルと――第二目標として俺を意識して戦いに来ている。疑うまでもない、これはメンヘラヤンデレビッチ神の差し金だ。
いやぁ、直接相対すると原作以上の絶望感。本当に原作のまんまなんだろうかコイツ。いや、それより俺も巻き込まれるとは正直びっくりだ。もしかして知能が低いせいで俺とベルをはっきり見分け切れていないのだろうか。まぁ共同生活してるから匂いも紛らわしいし、主神一緒だし、同い年の子供だから混同する可能性もあらぁな。
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