猫娘と明かされる秘密編
NO.046 教師たちとの会談
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出久はそれであらかじめ昨晩の夢で知った内容を分かりやすくまとめた紙を四人に配っていく。
四人はそれに目を通していって、次第に険しい顔つきになっていった。
当然である。
出久の持つ個性の一つ『生命力を奪う』ははっきり言ってヴィランと言われても否定できない力だからだ。
しばらくの沈黙の後に、
「………なるほど。確かにこれは内密にしておいた方がいい内容だね」
最初に校長がそう口を開いた。
鼠顔だから表情の変化があまり分からないが、それでも十分にショックは感じている印象である。
「そうかい……あの時の猫がね。超常以前からの生きていたというのにも驚きだけど、複数の個性は元々ただの妖術ときたか。それなら複数持っていても不思議じゃないね」
リカバリーガールもようやく納得顔で頷いていた。
すぐに理解できたのには訳がある。
ステインとの遭遇で怪我をした出久だったが、リカバリーガールに治してもらおうと保健室に来て確認してみればいつの間にか傷どころか骨の軋みも全部治っていたのだ。
それを不思議に思ったが、生命力が勝手に治してくれていたのだから、それはもう納得するしかない。
「緑谷……それじゃお前は本当に今は寿命が一万歳以上はあるっていうのか……?」
「フォウにも確かめてもらいましたけど、最低でもそのくらいはあるという感じです」
「最低でも、か……お前はその『与える』個性で救える命を救いたいと資料に書いてあるが……相当使わないと一生分じゃ終わらないぞ? その覚悟はあるのか……?」
「はい。もうフォウの償いの手伝いをしていくと決めていますから」
「そうか……」
相澤はそれで黙り込んでしまった。
おそらく自分の生徒の事なのに助けてやれない悔しさからの沈黙だろう。
「緑谷ガール……」
「はい」
最後にオールマイトが口を開いた。
「君は、オール・フォー・ワンに狙われる可能性が出てきてしまった……雄英体育祭で君が見せた力でおそらくテレビの中継で見ていただろう奴は君の事に気づいているだろう。そしてまた傍に置こうとするか、それとも無理やり個性を奪うかしてくるだろうと予測する……」
「はい、僕もそれは感じました。だからという訳ではありませんけど、こうして皆さんに今回話をしたんです」
あくまで冷静にそう答える出久。
いつもの彼女ならきょどってしまうだろうが、フォウの過去を追体験した事によって精神的に少しだけだが成長してしまったのだろう。
「それで……これからどうするつもりなんだ? 支援はするつもりだが、公けに『与える』個性を公表するのはそれ相応のリスクが高いぞ?」
「はい。ひとまず『生命力を奪う』個性は隠す事にして、『与える』個性は……そうですね。『他人を治癒できる』個性にしてもらおうかと……」
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