148 前夜(ほんばんまえ)
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ていたのだ。
「い、行こうっ、西村君っ!!」
「う、うん・・・」
たかしは城ヶ崎に手を繋がれ引っ張られた。その様子を永沢が見ていた。
「ふん、どいつもこいつもくだらないな・・・」
永沢は小杉や城ヶ崎などのやりとりが馬鹿馬鹿しく見えた。
同じ頃、リリィはまる子、たまえと行動を共にしていた。
「それにしても野口さん、来ないって残念だねえ」
「うん、何か他に用があるのかな?」
「もしかしてドリフの公開収録だったりして?」
「まさか・・・」
たまえはさすがにそれはないだろうと思った。確かに野口はお笑い好きではあるが、ドリフを生で観るのは無理だろうと考えた。
「でもどうして城ヶ崎さんの洋琴の応援には行ったのかしら?」
「ああ、あれね、大阪はお笑いで有名だから行きたかっただけだってさ・・・」
「そ、そう・・・」
お笑いと聞いてリリィは以前野口がお笑いに関する雑誌を買っていた事を思い出した。しかし、何よりも今は藤木が気になっていた。
「リリィ、もしかして藤木が気になってるのお〜?」
不意にまる子が聞いてきた。
「う・・・、うん・・・」
「まあ、わかるよ、まさか怖くて逃げちゃうんじゃないかってねえ〜」
「まるちゃん、それは失礼よ。永沢君と同じ事言って・・・」
リリィが真剣な顔でまる子を見た。
「う、ごめん・・・」
「藤木も心配だけど、私お父さんがついてくるんじゃないかって心配なんだけど・・・」
たまえは別の心配事をしていた。たまえの父は度を超える程娘の写真を撮りまくろうとする傾向があるのだ。たまえもその母も彼の行動にうんざりしていた。
「球技大会の時も会社休んで私の写真撮りに行くって言ってさ・・・。その時はお母さんと一緒に止めたけど・・・」
「そうなんだ・・・」
「今日の事はお父さんに黙ってたんだけど、もし知ったら・・・」
「そうね、それなら藤木君の写真を撮るようにいいんじゃないかしら?」
「うん、そうだね・・・」
たまえは父が追いかけて来ない事を祈った。
藤木はクラスメイト達と盛岡駅前で待ち合わせる事になっていた。両親と共に皆を待っていた。
「Hey、藤木クン」
花輪の声がした。藤木は声の方向に顔を向けた。
「やあ、皆。来てくれてありがとう」
「皆さん、わざわざありがとうございます」
藤木とその母は挨拶した。
「それじゃ、鍋料理の店を予約したから皆で行こうか」
「え、そうなのかい!?」
「ええ、藤木君のお父様とお母様も是非御食事なさってください」
「あ、ありがとうございます」
藤木の父はヒデじいに礼をした。
夕食はすき焼きだった。リリィは藤木の隣に座って藤木は少し照れた。
(すき焼きか・・・。そういえば地区大会で金賞を獲った時もそうだったな・
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