ペルソナ3
2057話
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「……おう?」
「うわぁ……」
「わふっ!」
巌戸台分寮に入った俺達は、目の前に広がっている光景に思わず驚きとも、感嘆ともとれる声を口にした。
何故なら、そこには望月との戦いで破壊されたアイギスの姿があった為だ。
いや、アイギスの姿があるだけであれば、そこまで驚くような事はない。
そもそも、クリスマス……俺がゆかりと美鶴の身体を貪ってから……いや、これはちょっと表現が悪いな。2人と結ばれてから、と表現した方が聞こえはいいか?
ともあれ、あの2日連続のデートから数日……明日には今年が終わる、12月30日。
今日アイギスの修理が完了しても巌戸台分寮に戻ってくると聞いて、こうして様子を見に来たのだから。
寧ろ、今日この場所にアイギスがいなければ、その事にこそ驚いただろう。
だが、俺達が驚いた最大の理由は……アイギスの召喚しているペルソナにあった。
元々アイギスのペルソナは、パラディオンという……戦乙女、ヴァルキリーとでも呼ぶような姿をしていたペルソナだった。
確か、名前の由来はアテナとかいう女神の娘……の、人形だったか?
以前何かでそんなのを聞いたような気がする。
ともあれ、そんなペルソナを持っていたアイギスだったが、現在召喚しているアイギスのペルソナは、パラディオンとは違っていた。
正確には、原型はパラディオンなのだが、巨大な盾を持っていたり、槍を持っていたりと、明らかに強化されている。
その事に驚いたのだ。
だが、俺はその光景が何を意味するのか知っていた。
……そう、ゆかりを始めとしたペルソナ使いの何人かが経験した、ペルソナの進化。
まさか、アンドロイドのアイギスまでもがペルソナを進化させるとは思わなかったが……ペルソナという存在について、まだ色々と分かっていない事が多い以上、そういう事もある……のか?
「アクセル、来たのか」
俺達に気が付いたのか、美鶴が嬉しそうに笑みを浮かべながら近づいてくる。
この前の日以降、美鶴は俺に対する好意を隠さなくなった。
いや、勿論それはあくまでも美鶴にしてはという事であって、それに気が付いている者は……
「へっへっへ」
うん、いたな。
順平が面白そうな……いや、下品なと表現したくなるような笑みを浮かべて、こっちを見ている。
真田や荒垣という美鶴と付き合いの長い2人には、呆れとも感心とも驚きともとれる微妙な表情を向けられていた。
あの2人にとって、美鶴は女である前に戦友だったり、リーダーだったりするという事なのだろう。
……見る目がないな。
そんな風に優越感に浸ってしまうのは、美鶴との関係を考えれば当然の事なのだろう。
「少し遅れてしまったな」
「いや、約束の時間よりは早いんだから、問題はな
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