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レーヴァティン
第五十五話 歌での戦いその七
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「それでな」
「それだけ乗れる様になったのね」
「そうなんだよ」
 実際にとだ、芳直は清音に答えた。
「乗ってるとな」
「慣れるのね」
「一日何時間か乗っていると」
「それでなの」
「そのうち慣れるさ、だからあんたもな」
「まず乗ることね」
「自転車と同じだろうな」
 芳直は自分達が起きている世界のことからも例えた。
「やっぱり慣れることだよ」
「それじゃあ」
「乗っていこうな」
「そうしていくわね」
 清音は実は今は乗馬自体が好きになれなかった、とにかく今にでも落馬しそうだからだ。それであまり快くなかったが。
 今は馬に乗っていた、だが戦闘の時は。
 周りに出て来たバジリスク、八本足の大きな蜥蜴のモンスターを見てすぐに馬から降りようとした。だが。
 その彼女にだ、順一が言った。
「動かなくてもいいので」
「馬に乗ったままでなの」
「はい、戦って下さい」
「ここで竪琴を鳴らせというのね」
「はい」
 その通りだとだ、順一は答えた。
「そうして下さい」
「馬に乗った状態で戦うことに慣れる為になのね」
「幸い貴女は竪琴ですし」
 それを使って戦うこともあってというのだ。
「ですから」
「馬に乗ったまま竪琴を鳴らして」
「そうしてくれますか」
「わかったわ」
 順一の言いたいことを理解してだった、清音も頷いた。そうしてだった。
 清音は馬から降りなかった、そうした自分達の周りに出て来た三体のバジリスク達に対してだった。
 竪琴を鳴らした、今は敵に精神的にダメージを与える曲を奏でバジリスク達のうちの一体にぶつけた。すると。
 そのバジリスクはダメージを受け苦しんだ、清音はそれを見て言った。
「こうすればいいのね」
「はい、私も術で戦いますが」
「馬に乗ったままでもね」
「楽器は奏でられますね」
「今は立ち止ったままだけれど」
 馬をそうさせてというのだ。
「出来たわ」
「ではまずはです」
「馬上で奏でることに慣れることね」
「慣れればです」
 そうなればというのだ。
「出来る様になれます」
「そうなのね」
「はい、既に言われていますが」
 このことはというのだ。
「やはり乗馬も馬上のままでの戦闘も」
「慣れることなのね」
「数をこなすことです」
「それじゃあ」
「今は降りないで」
 そうしてというのだ。
「戦って下さい」
「わかったわ、それじゃあね」
「はい、あとバジリスクなので」
 順一は今自分達が戦っているモンスターのことも話した。
「お気をつけ下さい」
「毒に」
 牙に毒がある、それもかなりの猛毒だ。
「それに石化ね」
「はい、その爪にです」
 八本足のそこにというのだ。
「人を石にする毒液があるので」
「だからよね」

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